2021 Fiscal Year Research-status Report
アロプレグナノロンおよびオキシトシンは帝王切開術後遷延性術後痛の発症に影響するか
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20K17809
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 真理子 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60581832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 帝王切開術後慢性痛 / アロプレグナノロン / オキシトシン / 産後うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はでは産後うつとの関連が示唆されるニューロステロイドであるアロプレグナノロンと帝王切開術後慢性痛との関連を調査することを目的とする。産前後に複数回のホルモン測定を予定しており、患者の身体的負担軽減のため血液検査ではなく唾液採取によるホルモン測定を予定した。しかし、Covid19の流行が遷延し、医療機関での感染防御器具の不足などが社会問題となる状況下で、飛沫やエアロゾル発生の可能性のある唾液採取を複数回行うことが感染対策や感染防御器具確保の観点から困難であり、思うように検体採取が進まなかった。 唾液採取とホルモン測定がが困難であったため、本研究に並行して帝王切開術後慢性痛に関連する因子検索を別途臨床研究で後方視的に探索し、帝王切開術後慢性痛のリスク因子の調査を行った。今後臨床データ収集を再開した際に、術前の精神疾患の併存や術前慢性痛の存在、産後うつと帝王切開術後慢性痛の関連を考察するためにも有用なデータを収集することができた。 一方で、感染流行により術前後の不安スコアなどに影響が出た可能性があり、過去の報告などと照合する際には注意が必要と考えられた。 今後は感染対策を十分に行いつつ唾液採取を再開し、可及的速やかにアロプレグナノロンや妊娠関連ホルモンと帝王切開術後慢性痛や産後うつの発生についての関連性を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では臨床研究として患者の複数回の唾液採取とホルモン測定を予定していたが、Covid19の流行の遷延により、研究目的での唾液採取に際して感染防御の観点での問題点や関係者の理解が得られないなど、作業が思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid19の感染防御に関する規制の緩和や、入院患者の検査フロー、感染防御物品の充実により唾液採取を再開する目途が立ってきたため、検体採取とホルモン測定を可及的に進めていく。部署内の共同研究者と協力し、効率的な検体採取のフローを作成し取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
初年度に購入したホルモン測定キットにまだ余裕があるが、今年度さらに検体採取をすすめた場合、追加購入が必要であり、初年度と同等あるいはそれ以上の出費が予測される。
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