2023 Fiscal Year Research-status Report
吸入麻酔薬と近赤外線の併用は高齢モデルにおいて心保護効果を増強するか?
Project/Area Number |
20K17814
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木下 倫子 徳島大学, 病院, 助教 (90532218)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 近赤外線 / 心筋保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、吸入麻酔薬と近赤外線照射の併用が、高齢マウスの心筋虚血再灌流モデルにおいて、それぞれ単独の保護効果よりも強い保護効果を発揮するか探索することであった。過酸化水素を用いた酸化ストレス実験を行なったところ、初代培養の心筋細胞では、ストレスが大きくコントロール群と介入群の双方にて実験遂行が不可能であった。そこで、血管内皮細胞を用いて実験を遂行することとしたところ、吸入麻酔薬を加えた群ではコントロールと比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。また、近赤外線を照射した群では、コントロールと比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血管内皮細胞を使用して、過酸化水素を用いた酸化ストレス実験を行っている。 心筋細胞では酸化ストレス実験にて細胞の生存率が低く、実験の遂行ができなかった。しかし、血管内皮細胞は酸化ストレスに対しても生存率が高く、実験の遂行に適切であることがわかり、その後順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
血管内皮細胞に対して過酸化水素を用いて酸化ストレスを与えたところ、吸入麻酔薬を加えた群ではコントロールと比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。近赤外線を照射した群では、コントロールと比較して、酸化ストレスに対する生存率が高かった。過酸化水素の濃度、近赤外線のエネルギー、麻酔薬の濃度を調整した上で、組み合わせの効果があるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
使用した試薬類が少額で賄えたため、次年度使用額が生じた。次年度は、国際学会に参加するために使用する予定である。
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