2021 Fiscal Year Research-status Report
Do the mechanisms of pain change in the spinal dorsal horn during chronic phase of neuropathic pain?
Project/Area Number |
20K17815
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
五代 幸平 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20767488)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / ミクログリア / カルシウムチャネルα2δリガンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、神経障害性疼痛の慢性期において急性期に認められる脊髄後角のミクログリア集積とカルシウムチャネルα2δサブユニットの発現増加がどのように変化し、その変化が神経障害性疼痛治療薬の鎮痛効果にもたらす影響を解明することである。 令和3年度はC57BL6マウスを用いて神経障害性疼痛モデルを作成し、神経障害性疼痛治療薬α2δリガンドであるプレガバリンおよびガバペンチンによる効果を検討した。坐骨神経3分枝のうち、腓腹神経のみを温存し脛骨神経および総腓骨神経を結紮切離するSpared Nerve Injuryを用いて、マウスに神経障害性疼痛を発症させた。ヘム分解酵素Heme-Oxygenase-1を中枢神経で阻害することで、神経障害性疼痛急性期におけるプレガバリンおよびガバペンチンの鎮痛効果が減弱すること。またプレガバリンおよびガバペンチンが脊髄後角でHeme-Oxygenase-1を介してミクログリアやアストロサイトといったグリア細胞の活性化を抑制していることが判明した(Neurosci Lett 2022; 767: 136310)。プレガバリンやガバペンチンは脊髄後角において内因性オピオイドであるエンケファリンを増加させた。 神経障害性疼痛慢性期におけるミクログリアマーカーであるIba-1やCD11b、炎症型ミクログリアマーカーであるiNOSやCD68、抗炎症型ミクログリアマーカーであるArginaseやCD206、α2δサブユニットの発現変化について免疫組織化学染色を用いて測定しているところである。またプレガバリンは急性期において、ミクログリアよりもアストロサイトの活性化を抑制したため、アストロサイトマーカーであるGFAPの発現変化も免疫組織化学染色を用いて測定しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヘム分解酵素Heme-Oxygenase-1を中枢神経で阻害することで、神経障害性疼痛急性期におけるプレガバリンおよびガバペンチンの鎮痛効果が減弱すること。またプレガバリンおよびガバペンチンが脊髄後角でHeme-Oxygenase-1を介してミクログリアやアストロサイトといったグリア細胞の活性化を抑制していることが判明した。しかし、慢性期における検討で安定したデータが得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
神経障害性疼痛慢性期におけるミクログリアマーカーであるIba-1やCD11b、炎症型ミクログリアマーカーであるiNOSやCD68、抗炎症型ミクログリアマーカーであるArginaseやCD206、α2δサブユニット、およびアストロサイトマーカーであるGFAPの発現変化も免疫組織化学染色を用いて測定しているところである。今後、神経障害性疼痛治療薬の鎮痛効果への影響をRT-PCRおよび免疫組織化学染色を用いて検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に購入するマウス及び試薬代金へ充当する為。
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