2021 Fiscal Year Research-status Report
Protective effect of hydrgen inhalation against muscle injury caused by tourniquet on lower limb of rats
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20K17820
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤本 陽平 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90779430)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ターニケット / 水素 / 血行動態 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に調整したラットに対して間欠的にターニケットを適用する動物モデルを用いて昨年に引き続いて研究を行った。ターニケット誘発性疼痛を動物モデルで評価することを試みたが困難であることから、代替のアウトカムとしてターニケット誘発性高血圧を用いることとした。ターニケット適用ラットに対して頸動脈動脈圧波形(大動脈起始部圧波形とほぼ同等)から血圧・脈拍数・dp/dt・収縮前期圧(駆出圧波)、収縮後期圧(反射圧波)・augmentation index(augmentation pressureと脈圧の比)の各データを採取・算出し、ターニケット適用前後の血行動態を評価している。血行動態変化は当初ヒトでのデータを外挿して想定していたがそれらよりも変化の程度が小さいことが本年度の実験で分かってきた。ヒトにおいてターニケット誘発性高血圧はターニケット適用1時間後に発症し、適用2時間後には対症療法を行わなければ臨床的に危険な領域の血圧高値となるが、ラットにおいてはターニケット誘発性高血圧はターニケット適用1時間では明らかに発生しているとは言えないレベルの血圧であり、1.5時間程度で明らかとなってくる。そして適用2時間後も危険なレベルの高血圧とまではならないことが判明した。当初の想定より変化が少なかったことの原因としてターニケットによる阻血が確実に行われていない可能性を除外する必要があったため、本年度ではレーザー血流計を購入し実験系に導入した。これを上記の血行動態測定に同期してターニケット適用側の下肢に装着することでターニケットによる阻血を評価した。上記実験系においてターニケットによる阻血は良好であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19などの社会的要因から職場の人員不足が発生し十分な研究時間が得られなかった。 またターニケットの機構を動物に適応することならびに血行動態の測定に難渋し、動物モデルに対して治療的介入を行うことがほとんどできなかった。 さらに自身の健康状態の不良から研究に集中することができなかった。 上記それぞれが複合的に作用し研究の進捗状況に影響が発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
早期にターニケットの動物への適用を改善し、ターニケットモデルの確立を図る。 そのうえでラットを使用し血行動態の測定と水素投与を行う。 機序の解明のために、上記ターニケットモデルで脊髄でのNMDA型グルタミン酸受容体の関与について受容体作動薬・拮抗薬の投与を行う。 その後、ターニケット適応肢に慢性疼痛モデルを適用し、上記実験系で血行動態と疼痛閾値の変化について観察する。
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Causes of Carryover |
COVID-19などの社会的要因から職場の人員不足が発生し十分な研究時間が得られなかった。 またターニケットの機構を動物に適応することならびに血行動態の測定に難渋し、動物モデルに対して治療的介入を行うことがほとんどできなかった。さらに自身の健康状態の不良から研究に集中することができなかった。 上記の理由から研究の計画自体が後ろにずれこんでおり、次年度においては実験に必要な薬品・動物・一般的物品などの消耗品、実験用途の機器ならびに論文作成に必要な物品やサービスなどに使用する予定である。
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