2023 Fiscal Year Research-status Report
Quantative and qualitative evaluation of compensatory increases in postoperative residual lung
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20K17823
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中平 淳子 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (30465603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺解析 / 残存肺 / 肺容量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、後方視的研究において肺切除術を実施した対象患者の肺容量をSynapse Vincentという画像分析ソフトを用いて算出し、遺残肺容量の変化を把握することと同時にその性状を分析する。日常臨床で、肺切除術を行った患者において、遺残肺は空いた空間を埋めるように代償性膨張するために容量が増加する。その性状の分析は、気腫様の部分が増加するのか正常に近い部分が増加するのかをCT値から求めて行うことで可能であると考えている。2次元でなく、3次元で肺容量とその性質を分析することによって1スライスという切断面だけでなく肺全体の肺容量の算出が可能となる。これにより、肺切除術を受けた患者において、全身麻酔を実施する際に呼吸機能検査では分からない呼吸機能評価の補助となりうる。すでにデータを収集しているが、人的な不足によって収集に遅れが生じていた。2024年9月までにデータと解析を終え、日本麻酔科学会に演題として投稿、論文掲載する予定である。 また、前向き観察研究では、肺切除後の患者の遺残肺容量の変化と呼吸機能検査の結果を合わせて把握することによって、肺切除術後の患者の呼吸器系の特徴を理解することができると予想される。より具体的に肺切除後の患者の呼吸器系の予測をすることが可能となる。2020年度に始まった新型コロナウイルス感染症の対策によって呼吸機能検査が中止され、前向きの観察研究は実施ができなかった。また、感染症対策のために研究に充てる予定の人員と時間を別の業務に当てざるをえず、研究が大幅に遅れたこと、研究責任者の職位変更になどによって遂行が困難な可能性が高い。 前述の通り、後方視的観察研究は、2024年度で完了する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策として、病院内での職場における人手不足と配置換えにより、研究が遅延した。また、人事異動によってデータの収集が困難となり、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
6月までにデータを収集と解析を行い、7月に抄録として学術集会の演題として応募する。論文作成を行い、9月までに投稿する。
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Causes of Carryover |
臨床業務が多忙であり、エフォートの割合通りに本研究に充てる時間が取れなかったため、研究費を使用しなかった。2024年度は、研究論文の投稿のため、所属施設では入手できない文献の購入や、論文の英文構成のための費用、論文投稿費用に使用予定である。また、麻酔関連の学術集会への参加費用としても使用予定である。
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