2020 Fiscal Year Research-status Report
敗血症時の免疫抑制病態と骨髄由来抑制細胞由来microRNAによる制御機構の役割
Project/Area Number |
20K17824
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
大平 早也佳 関西医科大学, 医学部, 助教 (90786724)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者らの研究グループは、免疫抑制病態の一つの原因として、敗血症病態の高血糖時において、自然免疫系の重要な役割を担う単球系細胞が貪食能低下や細胞死を起こし、その細胞内情報伝達系としての小胞体ストレスの関与、またmiRNA による制御に関して報告してきた。様々な病態制御に関与しているmiRNAが及ぼす敗血症病態における骨髄由来(免疫)抑制細胞 (MDSCs: myeloid-derived suppressor cells) の分化、機能への影響に注目して、動物実験及び臨床研究の両面から検討し、敗血症における骨髄由来抑制細胞(MDSCs)の役割と、今後の遺伝子治療の可能性を検討することを目的とした。近年、当初注目されていた癌病態以外に、敗血症病態における骨髄由来抑制細胞(MDSCs)の免疫抑制作用に注目がされているが、次世代シーケンサーを用いて、トランスクリプトーム解析(mRNA, miRNA)を、臨床研究との関連を含めて網羅的に解析した研究は希少のため、独創性が高いと考えた。 マウスではCD11b+Gr1+の細胞で認識され、詳細な検討が進んでいるが、ヒトではHeterogeneousな細胞群とされ、現在のところCD11b+CD14-CD33+の細胞を骨髄由来抑制細胞(MDSCs)とすることが多い。よって、健常人から採血を行い、単核球(mononuclear cells)からポジティブセレクションによりCD11b+CD14-CD33+細胞の免疫磁気分離し、その細胞からマイクロRNAの単離を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CD11b+CD14-CD33+細胞の免疫磁気分離し、その細胞からマイクロRNAの単離を行ったが、その網羅的な発現解析を行うことができなかった。また、他の研究の一部を、研究委託業者に依頼していたが、コロナ禍で勤務時間が短縮されていたために、予定より実験が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞培養実験において、免疫磁気分離したCD11b+CD14-CD33+細胞を糖濃度の異なる培養液に静置し、LPS投与前後においてどのようにmicroRNAの発現が変化するかを次世代シーケンサーを用いて、観察する予定にしている。
また、敗血症患者を対象とした臨床研究において、健康成人と比較して、骨髄由来抑制細胞(MDSCs)内のマイクロRNAの発現変化があるのか探求する予定である。
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Causes of Carryover |
細胞培養実験において、免疫磁気分離したCD11b+CD14-CD33+細胞を糖濃度の異なる培養液に静置し、LPS投与前後においてどのようにmicroRNAの発現が変化するかを次世代シーケンサーを用いて、観察する予定にしている。 また、敗血症患者を対象とした臨床研究において、健康成人と比較して、骨髄由来抑制細胞(MDSCs)内のマイクロRNAの発現変化があるのか探求する予定である。 以上の実験に要する細胞培養や次世代シーケンサーを用いた実験の消耗品購入のため、繰り越した研究資金と本年度に申請した研究資金が必要となる。
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