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2020 Fiscal Year Research-status Report

A novel strategy for preventing postoperative delirium using indigestible oligosaccharides

Research Project

Project/Area Number 20K17841
Research InstitutionSapporo Medical University

Principal Investigator

西原 教晃  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70836436)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsせん妄モデル / 腸内細菌叢
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は主にせん妄モデルの作成とその評価を行った。せん妄モデルやその評価は定まっていなかったが、先行研究をもとに、大開腹に腸管受動術を加えることでせん妄モデルとした。また、せん妄の評価法として有効とされる行動試験のうちの一つ、オープンフィールド試験も行い、実際に術後1日で行動が変容したことを確認した。評価時期に関しては、術後12時間から24時間で評価している先行研究が多かったが、後に述べる糞便検体採取の観点から、術後24時間での評価とした。
また、腸内細菌叢の解析も試行した。当初は術後12時間、24時間の2点で行動、腸内細菌、神経炎症の解析を行う予定であったが、マウスに手術侵襲を加えると、腸管蠕動の低下や摂食低下により、術後12時間での糞便献体採取が非常に困難であった。そのため、術後24時間での評価とした。腸内細菌叢の解析では、先行研究で報告されているような、いわゆる悪玉菌の増加を確認でき、中でもマウスの情動に関与するとされる菌の増加が見られ、モデルの正当性を確認するとともに、せん妄との関連も期待できる結果となった。さらに、難消化性オリゴ糖の一つ、ラフィノースの投与により、善玉菌の増加、情動に関する悪玉菌の減少を確認することができ、今後の成果が期待できる結果となった。
ただ、神経炎症の評価が2020年度では定まらなかった。先行研究では脳の海馬組織中のサイトカインをELISAで評価していたが、当研究室では組織中のタンパクをELISAで検出する手法が確立しておらず、安定した検出を行うに至らなかった。そのため、2021年度ではタンパク検出方法をウェスタンブロッティングに変更し、行動、腸内細菌、神経炎症の相関関係を示したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初、せん妄モデル作成に腸管(虫垂)切除術を施行していたが、術後は腸管運動の極度の低下によって糞便献体の採取が困難となった。また、マウスにとって虫垂は食物の発酵に必要な臓器であることが判明したため、腸管切除は行わずに、腸管の用手的受動術の侵襲のみに変更したため、当初より遅れが生じた。
また、神経炎症の評価についても、ELISA手技が確立せず、ウェスタンブロットへの変更を余儀なくされたことも、進捗が遅れている原因の一つとなった。

Strategy for Future Research Activity

行動実験や腸内細菌叢の解析に関しては計画通りの推進が可能である。神経炎症の評価が現段階ではできていないため、ウェスタンブロット法による評価を行っている。ただし、それでも分子量の小さいサイトカインの検出が安定しなかった場合は、RT-PCRや免疫組織染色への手法変更も考慮する必要がある。

Causes of Carryover

前述した計画の遅れに伴い、腸内細菌叢解析や神経炎症解析の回数が当初よりも減ったことが理由として挙げられる。次年度は、遅れた分の解析を行うことでより多くの経費がかかることが予想されるため、そこに次年度使用額を充てて、計画を推進していきたい。

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Published: 2021-12-27  

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