2021 Fiscal Year Research-status Report
単球系細胞の小胞体ストレスによる貪食能低下に対し鎮静薬投与は保護的に作用するのか
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20K17843
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
飯田 淳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 学内講師 (20515283)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個々の鎮静及び麻酔法による小胞体ストレスへの影響を解明することにより、敗血症病態における患者管理において患者の免疫能を損なわない鎮静及び麻酔法を探求することを主眼において研究を施行する。 本年度は、昨年度に引き続いていて細胞培養実験を主体に、 栄養状況の変化など種々の外的ストレスを誘導した状態において、主に単球系THP-1細胞および293細胞系で、プロポフォールやミダゾラム等を濃度依存性あるいは時間依存性に投与し、代表的な小胞体ストレスマーカーの遺伝子およびタンパク発現、また、アポトーシスなどの細胞死の評価を確定することを第一段階の目標とした。その結果、持続的な高血糖ストレス状況下において、誘導される小胞体ストレス時に、特定のαアレスチンファミリーのタンパクの上昇することが明らかとなった。また、麻酔がそれらの誘導を増強させることはなかった。 昨年解析中であった心筋組織の代謝物解析では、ベースラインの状態において、特定のαアレスチンファミリーのタンパクのノックアウトは、代謝物の有意な変化は認めなかった。 持続的な高血糖ストレス状況下において、上昇が認められる特定のαアレスチンファミリーのタンパクの機能に関して、細胞内にグルコースを取り込む機能を有するGLUT受容体との相互作用と小胞体ストレスとの関連が考えられるため、そちらの方向に研究を展開していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19による物品輸送や種々の制限のため。
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Strategy for Future Research Activity |
持続的な高血糖ストレス状況下において、上昇が認められる特定のαアレスチンファミリーのタンパクの機能に関して、細胞内にグルコースを取り込む機能を有するGLUT受容体との相互作用と小胞体ストレスとの関連が考えられるため、そちらの方向に研究を展開していく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID19の蔓延による診療業務の逼迫による時間的制約による計画の遅れがあること、サンプル解析を依頼先についてもCovid19による納期の大幅な遅延が生じており翌年度へとくりこしが生じている。令和4年度についても解析を進める計画である。
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