2020 Fiscal Year Research-status Report
mtDNA異常疾患iPSモデルにおける麻酔薬の神経系への影響と作用機序の解明
Project/Area Number |
20K17845
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
森田 知孝 国際医療福祉大学, 医学部, 研究員 (30546924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 麻酔薬 / 神経保護効果 / 神経毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は予備実験として,ミトコンドリアDNAに異常のない正常iPS細胞(HPS0223,理化学研究所)を入手し,培養を開始した.現在までに,iPS細胞の培養の維持,凍結保存が自在に制御できるようになった.次年度は大脳皮質由来の神経細胞への分化を誘導し,分化された神経細胞へのカルシウムイメージングを検討している. 具体的には,分化された神経細胞に対して麻酔薬を曝露することで,麻酔薬の神経毒性を機能的に調べることを検討する.2018年に公開された研究では,発達時期の異なる初代培養神経細胞にCaイメージングと形態実験を行った.ミダゾラムやチオペンタールと比較して,プロポフォールは培養時期が短いと細胞死を促進することが判明し,麻酔薬の神経毒性は曝露時間や投与量,神経細胞の成熟度と関係することが示唆されている.現在も,各麻酔薬の神経毒性の個性を知るために,初代培養神経細胞を用いての解析も併行して行っている.初年度は,培養期間の異なる細胞に種々の濃度のアセトアミノフェンを曝露し,アセトアミノフェンの神経毒性を形態的に調べた.培養期間の違いによる神経毒性の程度に有意差はなく,濃度の変化に伴い細胞生存率の変化を認めた.次年度はカルシウムイメージングを用いて神経毒性を機能的に解析する.またアセトアミノフェンと異なる鎮静薬を使用して同様の実験を行うことで,実際の小児への投与について提言が可能になり,iPS細胞への実験についても有益となり得る.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はCOVID-19の影響で当初の研究計画を大幅に変更する必要性に迫られた.
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Strategy for Future Research Activity |
正常iPS細胞から分化した神経細胞へ,ミダゾラムやプロポフォールなどの静脈麻酔薬,あるいはセボフルランやデスフルランなどの吸入麻酔薬の曝露を行うことで,正常神経細胞に対する麻酔薬の保護効果あるいは毒性を形態的・機能的に評価する.機能的評価には従来の研究と同様にCaイメージングを使用する.その後,ミトコンドリア病などの疾患iPS細胞から神経細胞を分化させ,正常iPS由来の神経細胞と同様の評価を行う.
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Causes of Carryover |
本研究を継続する上で必要な試薬や備品の購入のため
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