2023 Fiscal Year Annual Research Report
mtDNA異常疾患iPSモデルにおける麻酔薬の神経系への影響と作用機序の解明
Project/Area Number |
20K17845
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
森田 知孝 国際医療福祉大学, 医学部, 研究員 (30546924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経保護効果 / 神経毒性 / 麻酔薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】レミマゾラム (RMZ) に関する動物実験はまだ少なく,中でもその中枢神経毒性については明らかになっていない.特に小児においては臨床の現場でもその安全性が検証されている段階である.本研究ではラット初代培養大脳皮質神経細胞にミダゾラム (MDZ) またはRMZを投与し,ベンゾジアゼピン系薬剤の中枢神経保護効果を比較検討した. 【方法】妊娠17日目のウイスターラットより胎児脳を撮りだし,大脳皮質神経細胞の初代培養を行った.14日間の培養の後,RMZ 50mM,MDZ 1mM,またはベンゾジアゼピン系薬剤を含まないジメチルスルホキシドを投与した直後に24時間の低酸素曝露を行った.低酸素曝露後に,神経細胞生存率の差異を写真判定した. 【結果】RMZまたはMDZを含まない低酸素非曝露群 (対照群) の細胞生存比 (SR) を1とした場合,RMZおよびMDZを投与した低酸素非曝露群のSRはそれぞれ0.86 ± 0.17,1.09 ± 0.37であった (p = 0.47, 0.84).一方,ベンゾジアゼピン系薬剤を投与しなかった低酸素曝露群のSRは0.40 ± 0.13であり,RMZおよびMDZを投与した低酸素曝露群のSRは0.74 ± 0.12,0.47 ± 0.12であった (p = 0.09, 0.05). 【結論】幼少期の大脳皮質神経細胞への低酸素曝露について,MDZは神経保護効果を有する可能性がみられたが,RMZは神経保護効果を認めなかった.
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