2023 Fiscal Year Research-status Report
水素ガスと吸入麻酔薬の併用が虚血時の神経細胞やグリアへ与える影響のメカニズム解明
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20K17846
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
福田 征孝 順天堂大学, 医学部, 助教 (80822296)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2026-03-31
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Keywords | 水素ガス / 吸入麻酔薬 / グリア / 乳酸 / 低酸素脳症 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験(1)低酸素条件下での水素ガスと吸入麻酔薬の併用効果 我々の先行研究では脳スライスを低酸素環境においた後に通常環境に戻したところ、線条体の神経細胞の興奮性シナプス後電位(EPSP)は時間経過に連れて増大した。本研究では低酸素条件の前に水素ガスとセボフルランを脳スライスに投与することにより、EPSP増大に対する抑制効果がセボフルラン単独よりも効果が高まるのかを明らかにする。また神経細胞は日齢によってその形態や性質も変化するため、日齢によって効果に変化があるのか、日齢7,14,21,28,35のマウスを用いて実験している。現在、データ取得中であり、解析後に結果を学会発表する予定である。 実験(2)乳酸輸送阻害が引き起こすEPSPに対する水素ガスと吸入麻酔薬の併用効果では、神経細胞が虚血になった場合、周辺のグリアに存在するグリコーゲン由来の乳酸をエネルギー源として利用することが知られている。我々の先行研究ではグリアからの乳酸供給を止めたところ、線条体の神経細胞のEPSP増大が生じた。このEPSP増大に対して、セボフルラン単独投与は抑制効果をもたらさなかった。本研究では乳酸輸送阻害によって生じたEPSP増大に対してセボフルランと水素ガスの併用は抑制効果があるのかを明らかにする。実験(1)と同様に、日齢によって効果に変化があるのか、日齢7,14,21,28,35のマウスを用いて実験している。現在、データ取得中であり、解析後に結果を学会発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電気生理学実験のセットアップに時間がかかり、データの取得が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
電気生理学実験を引き続き行い、データを取得する。その後、水素ガスと麻酔薬を吸入させたマウスの末梢血を採取し、生化学手法を用いて炎症系サイトカイン(IL-6,IL-1b,TNF-α)や抗炎症系サイトカイン(IL-10)、活性酸素種を測定し、水素ガスの影響を総合的に検討する。さらに水素ガスと麻酔薬を吸入させた脳疾患モデルマウスに対してモーリス水迷路やローターロッドテストなどの行動実験を行い、ワイルドタイプと比較することで水素吸入療法が記憶や学習、運動機能に対して影響を与えるのか比較検討する。
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Causes of Carryover |
実験に使用する器具の故障があり、年度前であったが申請する必要があったため。
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