2020 Fiscal Year Research-status Report
Clinical usefulness of biomarkers as a postoperative acute kidney injury in patients undergoing TAVI
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20K17848
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小幡 由美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80410091)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎障害予測 / 急性腎障害早期診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、大動脈弁狭窄症(aortic valve stenosis, AS)に対する経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valveimplantation, TAVI)後における、急性腎障害(acute kidney injury, AKI) 早期診断バイマーカーの有用性を検証した。AKI診断は血清クレアチニン値と尿量の変動に決定付けられる。しかしながら、血清クレアチニン値の上昇は時間を要する為、診断遅延が問題視されている。AKIの病態の主体は、尿細管障害であると報告されており、腎虚血、炎症、線維化等によって起因すると報告されている。よって、血清クレアチニン値よりも早期上昇の報告があり、また、尿細管障害を反映する4 種のバイオマーカー(尿中 L-FABP、NGAL、Clusterin、TIMP2)について研究を進めている。まず、尿中 L-FABP、NGAL、TIMP2について解析を実施した。非AKI群とAKI群の2群間比較においては、L-FABP、NGAL、TIMP2共に有意な差を示した。中でも、尿中L-FABPは、血清クレアチニン値よりも早期上昇を示し、先行研究の再現性を示した。尿中L-FABP は、TAVI後のAKI早期診断バイオマーカーの有用性を示唆した。 当該年度の補助金は、研究に必要な消耗品や測定キット等の物品費に当てられ、研究計画は滞りなく進行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画は予定通り進行しており、尿中 L-FABP、NGAL、TIMP2 の測定と統計解析を実施した。Clusterinの測定においては、現在着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、尿中 L-FABP、NGAL、TIMP2において詳細なデータ解析、Clusterinにおいては引き続き測定を進める。また、バイオマーカーの組み合わせによる診断精度の向上に向けた検証へと着手し、慢性腎障害(chronic kidney disease, CKD)への進行予測と進行予防における、バイオマーカーの有用性においても着手する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究計画より研究の進行が早かった為、前倒し請求を行った。前倒し請求分の残金が次年度使用額として反映されている。 次年度の使用計画においては、研究計画通り、物品費として使用する。
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