2020 Fiscal Year Research-status Report
DIC患者に対する、誘電コアグロメーターによる凝固能測定の有効性の検討
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20K17854
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高山 渉 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (50825502)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DICスコア / コアグロメーター / トロンビン |
Outline of Annual Research Achievements |
コアグロメーターを救急外来へ設置し、所属施設の中で症例の集積を開始した。他、測定試薬や研究用のデバイスをそろえ、データ整理を平行して行った。敗血症約50例程度、現時点で収集できている。解析は現在行っている最中であるが。途中経過として以下のようにあげられる。コアグロメーターで算出される数字と、臨床的DICスコアとの間には強い相関を認めた。その特徴として、その相関自体にはタイムラグを認めており、来院直後のコアグロメーターのパラメーターと、(来院直後ではなく、)やや時間の経過した後のDICスコアとにより強い相関があった。これは実際の臨床と同じ感覚であり、発症早期のDICスコアは病態と反してやや低く見積もられる傾向がある可能性を示唆していた。 来院直後にDICスコアが高いもの、しばらく経過した後にDICスコアが上昇したもの、どちらも同様に高い死亡率を認めた。したがって、コアグロメーターを使用することで、早期にDICを認知することができ、より早期の治療介入が可能となる可能性が考えられた。 今後、症例数のさらなる蓄積と、臨床病態との比較を行う。さらに同時に採取し凍結させている検体が保存されており、そちらについては追加でトロンビン濃度を測定する予定である。トロンビン濃度とDICスコア、コアグロメーターの数値との比較を行い、DICスコア以外との相関も検討する。 今後の臨床応用に向け着実に前進すると見込まれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数がある程度蓄積はしている。 一方でCOVID-19による診療形態が変更され、一部とどこっている面もある。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19患者も、いわゆる感染症患者であり、一部そのような患者も対象に含める予定である(倫理申請中) また、約100例前後蓄積した段階で結果をまとめ論文として発表を予定している。
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Causes of Carryover |
コアグロメーターの実務機の購入について、科研費を利用して行う予定であったが、他予算で都合がつき金額的にあ少額ですんでいる。またCOVID-19診療の都合で、予定患者数よりやや少なく、その分経費もかからなかったと予想される。今後、症例数にあわせ、試薬の追加、状況によってはもう一台の実務機購入も検討している。
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