2023 Fiscal Year Research-status Report
敗血症に対する迷走神経刺激による臓器保護効果の解析と臨床応用に向けた検討
Project/Area Number |
20K17872
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大井 真里奈 北里大学, 医学部, 助教 (50866118)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 迷走神経刺激 / 敗血症 / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は医療が進歩した現代においても高い死亡率が報告されており、その根本的な治療法については未だに確立されていないのが現状である。迷走神経刺激は中枢神経領域を中心にすでに臨床応用されているが、近年その抗炎症作用が注目されており、動物実験レベルでは敗血症に対する効果も期待されている。一方で、迷走神経刺激を人体に試行する場合には頸部切開や植え込み型デバイス挿入のための手術が必要であり、敗血症によって生命の危機にさらされている患者に対して試行するにはあまりにリスクの高い手技である。本研究は敗血症に対する迷走神経刺激の有効性について検討し、人体への応用が可能な迷走神経刺激カテーテルによっても同様の効果がもたらされるのかについて検討したものである。 昨年度、研究計画で予定していたビーグル犬計16頭(control群、敗血症群、VNS群、iVNS群)の実験を試行した。 また、血管内皮障害マーカーであるSyndecan-1をELISAキットを用いて測定した。 本年度は主に収集したデータの統計解析を行い、control群でSyndecan-1の変化率が大きいこと、VNS群とiVNS群では変化率の有意差がないことが確認された。また、病理標本の作成を行い、実験時間の関係もあり好中球浸潤などの急性期変化が本研究では認められないことが確認された。 得られた結果に対する科学的妥当性の評価・考察などを行い、論文作成へと取り掛かった。また、病理標本に関してはHE染色以外に、肺の繊維化などを評価する目的でマッソントリクローム染色を追加する方針とした。 来年度は研究成果を救急医学会総会で発表し、論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は出向のため研究拠点である北里大学を離れていたことにより、休日などを利用してデータ解析や論文執筆を行なっていた。そのため、十分な研究時間が確保できず当初の予定よりも論文作成に時間を要した。また、研究計画段階では自身で評価予定であった病理標本に関して専門的な評価を外部へ依頼したこともあり、予定より研究の進行が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成している論文執筆は6月までに投稿を行い、今年度中の掲載を目標とする。 また、2024年10月に行われる救急医学会総会において本研究の成果報告を行う予定である。 上記が予定通り進行すれば、本年度で研究の終了を予定している。
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Causes of Carryover |
本年度の研究遅れにより論文の執筆が完了せず、次年度使用額が発生した。 次年度は研究成果の報告と論文発表を行う予定であり、次年度使用額は論文校正費と学会参加費に使用する予定である。
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