2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17879
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
苛原 隆之 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50515989)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 侵襲 / 栄養代謝 / 栄養療法 / 間接熱量測定 / 神経筋電気刺激(NMES) / 茶カテキン(EGCG) / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
「侵襲時の栄養代謝動態の変化と治療的介入の可能性」というテーマで以下の3つの研究を並行して行なっている。それぞれの研究実績の概要を報告する。 研究①「重症ICU患者に対する急性期栄養療法における間接熱量測定の有効な活法」:目標である30-50例に向けて順調に適応症例を選択し、データを蓄積している。当初は得られた測定値を手作業で電子カルテに転記していたが、部門システムの改良時より自動的にデータが保存されるようになった。データの途中解析結果は、2021年2月の集中治療医学会総会にて発表した。 研究②「急性エンドトキシンショックに対する神経筋電気刺激(NMES)が生体反応や栄養代謝動態に与える効果」:愛知医科大学動物実験部門において大動物(ブタ)を飼育し、ヒト用の神経筋電気刺激(NMES)装置や間接熱量計をブタに装着して各種測定を行う計画を作成しているが、新型コロナの影響もあり未だ実現には至っていない。 研究③「急性エンドトキシンショックに対する栄養療法における有効な栄養成分の探索」:2019年度はマウスに茶カテキン(EGCG)を投与した後にLPSを投与し、間接熱量測定にて脂質代謝量を測定した。2020年度はさらに解剖を行い臓器、血液を採取し、脂質濃度およびIL-6を測定した。結果は先行研究で示した低強度運動や神経筋電気刺激(NMES)と同様の効果を示唆しており、脂質代謝指向型の治療的介入として有効である可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度以降の新型コロナウイルス感染の蔓延が大きく影響している。救急診療業務のひっ迫に加え、他府県への移動自粛により分担研究の実施も困難となっている。 上記研究①③に関しては当初の計画に比して大きな遅れはないが、研究②に関しては大動物の購入から分担研究の実施まで未だ目途が立っておらず、実現出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
上記研究①に関しては、今後も症例の選択とデータの蓄積を行い、目標の30例以上に到達したらさらなる解析を行い論文化したいと考えている。 研究②に関しては、今年度は具体的な物品の手配をすすめ実験の実現を目指したいと考えている。 研究③に関しては、これまで成果を日本Shock学会(2021年5月東京)および日本臨床栄養代謝学会シンポジウム(2021年7月神戸)にて発表予定である(新型コロナの影響で一部オンライン)。また、定量PCRによるPGC-1αの測定などさらなる実験を追加し、成果をまとめて論文化したいと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染の蔓延により研究の実施が大きく制限されたため、助成金の使用も計画より少なくなった。今年度以降も同様の状況が続く可能性があるが、可能な範囲での研究実施に備えて、物品の購入などを積極的に行っていく予定である。
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