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2023 Fiscal Year Annual Research Report

救急現場オンサイトでの迅速感染症診断を可能にする超小型シークエンスシステムの確立

Research Project

Project/Area Number 20K17880
Research InstitutionKansai Medical University

Principal Investigator

中村 文子  関西医科大学, 医学部, 助教 (80701721)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
KeywordsMinION / 16SリボソームRNA遺伝子 / 腹水 / 腹腔内感染症
Outline of Annual Research Achievements

感染およびそれに伴う合併症対策は救急・集中治療分野における最 重要課題の一つである。感染管理において抗菌薬の適正投与には病原菌の同定が重要な情報となるが、現在の標準的検査である細菌培 養法は精度や迅速性において解決すべき問題点を抱えている。申請者らは遺伝子解析における革新的技術であるナノポアシークエンサー MinIONを活用し、検体取得から3時間以内に病原菌を種レベルで同 定することに成功した。救急医療の現場において直面する重篤かつ多岐にわたる感染症例の診断ツールとしてMinIONを用いた迅速細菌同定法の有用性を検証し、臨床的アウトカムの向上に繋がる技術基盤を確立することを目的とする。医療現場での即時細菌検査を可能にする MinIONシークエンシング技術を活用し、これまで困難であった術後経過に伴う細菌プロファイルの 変動と病態との関連性を明らかにすることで、より適切な感染予防・抗菌治療を実現するためのエビ デンス構築を目指した。
当院に救急搬送され, 腹部緊急手術を行った汎発性腹膜炎患者16例を対象とした. 手術中に腹水を採取し, 得られた検体を分割し, MinIONによる解析と並行して一般細菌培養検査による菌種同定を行い結果を比較した.結果、一般細菌培養の結果陰性であった5例について, MinIONでは細菌の同定が可能であった.上部消化管穿孔のうち, 一般細菌培養の結果陽性であった2例はMinIONでも同じ結果を認めた.下部消化管疾患・虫垂炎・胆嚢炎のうち, 一般細菌培養の結果陽性であった9例はMinIONでは一般細菌培養で同定できなかった細菌の同定も可能であった.MinIONによる迅速細菌同定法はより高精度に細菌の判別・同定を行うことができ, 感染症診断ツールとして有用であった.

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Published: 2024-12-25  

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