2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of pathophysiological role of endothelial microparticles for endothelial injury in ventilatior-induced lung injury
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20K17882
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武井 祐介 東北大学, 大学病院, 助教 (80822890)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | microaprticles / 血管内皮傷害 / 人工呼吸関連肺傷害 / 凝固能障害 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工呼吸関連肺障害(ventilator induced lung injury: VILI)ラットモデルを確立した。雄の10-12 週齢の Sprague-Dawley ラットを用いた。小動物用人工呼吸器は、Kent Scientific 社オートマティック人工呼吸器/Rovent(ローベント)モジュール付き PS-04 を購入し、使用した。 塩酸メデトミジン、ミダゾラム、酒石酸ブトルファノールを腹腔内投与による全身麻酔施行後に、 気管切開し、14 ゲージサーフローで気管挿管を行い、人工呼吸器に接続した。高容量換気(1 回 換気量 20ml/kg、呼吸回数 30回)を4時間行いVILIラットモデルを作製した。高容量換気による肺傷害を正しく評価するために自発呼吸による影響を除外する必要があり、全身麻酔導入後にラットの右の頸静脈に専用のカテーテルを留置し、べクロニウムを間欠的に投与し、自発呼吸を消失させたVILIラットモデルを確立した。本課題ではPECAM+EMPs, VE-cadheirn+EMPs, ICAM-1+EMPs, VCAM-1+EMPsを測定予定であるが、ラットには蛍光標識された抗体がほとんど存在しない。また、MPsのペレット形成のためには20000 g x 45分の遠心が必要であり、洗浄による喪失のリスクもあるため、一次抗体、二次抗体を反応させるのも困難である。そこで、Zenon labering systemを用いて蛍光標識された抗内皮抗原抗体を作成した。またラット肺血管内皮細胞を用いて炎症刺激を加え、EMPsの放出を促したのちに培養液上清を回収し、20000 g x 45 minの遠心を加え、MPsのペレットを作成し、それを再懸濁してMPs-rich fluidsを精製した。このMPs rich fluidsをpositive control として作成した抗体をの抗体量を調整した。これにより、各種EMPsの測定プロトコールが完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19感染拡大に伴い、必要な実験器具の購入が制限されている。また、東北大学医学部の動物実験施設の移転がもともと予定されていたが、COVID-19感染拡大により動物実験施設の移転が大幅に遅れ、動物実験がそもそもできない状況が続いていた。そこで、本課題とは内容が若干異なるが、COVID-19に伴う血液凝固障害における細胞外小胞の関与を検証する研究を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、2021年4月末から2021年5月頃に動物実験施設の移転が完了する予定である。現在の予定では、2021年5月末から動物実験を再開する予定であるが、ラット、試薬の確保が困難な場合や、動物実験施設の移転が終了しない場合には、動物実験が再開できない可能性もある。
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Causes of Carryover |
今年度はCOVID-19感染拡大による試薬・実験機器の入手が困難であったこと、動物実験施設の移転に伴い動物実験自体の施行が困難であった。次年度使用額はVILIモデル作成のためのラット購入費用、および、EMPs測定のための試薬、in-vitro研究用のラット肺毛細血管内皮細胞購入に使用予定である。
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