2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of pathophysiological role of endothelial microparticles for endothelial injury in ventilatior-induced lung injury
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20K17882
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武井 祐介 東北大学, 大学病院, 助教 (80822890)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人工呼吸器関連肺傷害 / micaroparticles / 血管内皮傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
20ml/kgの高容量換気を4時間行いVILIモデルラットを作成した。三種混合鎮静薬(メデトミジン+ミダゾラム+ブトルファノール)の腹腔内投与により全身麻酔を導入し、14Gで気管切開し人工呼吸器を装着、頸静脈に静脈路を確保し、筋弛緩薬の持続投与をおこなった。ラット用の人工呼吸器はKent Scientific社のRoventを使用した。VILIモデルラットでは、自発呼吸群、低容量換気群と比較し有意に酸素化が悪化した。病理組織で好中球の浸潤、肺胞壁の肥厚、ヒアリン膜の形成を認めwet to dry ration, エバンスブルーの血管外漏出が大きく肺血管透過性が亢進した。自発呼吸と比較し、6 ml/kgの低容量換気群ではPECAM+EMPs, VE-cadherin+EMPs, ICAM-1+EMPs, VCAM-1+EMPsの有意な増加は認められなかったが、20 ml/kgの高容量換気によるVILI群では全てのEMPsが自発呼吸群、低容量換気群より有意に増加していた。 筋弛緩薬を使用せずにVILIモデルを作成すると、EMPsはPECAM+EMPs, ICAM-1+EMPs, VCAM-1+EMPは有意に増加した。ラットの食道に22Gを挿入し、食道内圧を測定し、気道内圧から経肺圧を測定すると、筋弛緩使用VILI群と筋弛緩未使用VILI群では一回換気量や気道内圧は差がなかったが、経肺圧は筋弛緩薬未使用群で高かった。この経肺圧の大きさがVILIの血管内皮傷害を増強させたと考えられる。 VILIに対するセボフルランのpre-conditioning効果を検討した。高容量換気をする前に30分の1MACのセボフルラン投与をおこなった群では、ICAM-1+EMPs, VCAM-1+EMPsが有意に減少した。セボフルランによる抗炎症作用によるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で動物実験自体を行えない時期があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、COVID-19に関する研究制限がなくなったので引き続きVILI研究をおこなっていく。凍結肺中のサイトカイン濃度、肺病理組織の免疫染色などを進めていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染の蔓延により十分な研究が行えなかった。
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