2020 Fiscal Year Research-status Report
平時と災害時に同一運用が可能な小児傷病者診療ウェブシステムの廃発
Project/Area Number |
20K17885
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
問田 千晶 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30632632)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 災害 / 緊急度判定 / スコアリングツール / 多数傷病者 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】本邦では、平時と災害時に異なる緊急度判断基準が用いられているが、既存の判断基準には、体格ごとのバイタルサインの設定がなく、既存基準を小児へ適用した際には緊急度が過大評価されるといった課題がある。また、通常診療において使用頻度が低い緊急度判断ツールを使用する際には、判断アルゴリズムやツールの使用法の誤りが多く生じると報告され、新たな“緊急度判断”や“治療・搬送の順位付け”基準を円滑に実装するためには、一定頻度での使用(訓練を含む)を継続する必要がある。実用化には簡便性や視認性を備えたツールの開発が不可欠である。 【目的】本研究は、平時と災害時とで同一に運用できる小児傷病者救急診療システムを開発し臨床診療現場での実用化を目指すことを目的に実施した。 【方法と結果】初年度は、先行研究において開発した小児多数傷病者診療に係る複数のアプリケーションソフト「小児初期診療App・小児緊急度判スコアリングApp」を、クラウド・コンピューター上に新たに開発した小児多数傷病者用診療データベースと統合させ、平時でも災害時でも運用可能な統合版データベース・ウェブシステムとして開発することができた。また、このシステムには、小児傷病者対応に従事する医療従事者が携帯タブレット端末を用いて異なる場所や時刻に入力した傷病者情報を、QRコードを介してデータベースと情報連結させる機能を付加した。 【今後の課題】次年度以降は、初年度に開発したシステムを用いて、小児多数傷病者対応を想定したシミュレーション研究を実施し、新システムの実用にむけた課題を検証する。課題をもとにシステムを改良し、実用性かつ既存のシステムとの汎用性のあるウェブ診療システムの完成をめざす。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、小児多数傷病者対応の有用なデータベース・ウェブシステムの開発が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、初年度に開発したシステムを用いて、小児多数傷病者対応を想定したシミュレーション研究を実施し、新システムの実用にむけた課題を検証する。課題をもとにシステムを改良し、実用性かつ既存のシステムとの汎用性のあるウェブ診療システムの完成をめざす。
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Causes of Carryover |
当初の見積もりよりウェブシステム開発費用が安価であったため。初年度の繰越金は、次年度以降のウェブシステム改良費用として使用する予定である。
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Research Products
(11 results)