2022 Fiscal Year Research-status Report
脂肪特異的Atg5KOマウスを用いた敗血症病態におけるオートファジーの機能解明
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20K17892
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (10813975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アディポサイトカイン / 脂肪 / レジスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の3つに着目し実験をおこなう。1)敗血症における脂肪細胞でのオートファジー機能の評価のため、脂肪細胞特異的Atg5KOマウスにLPSを投与し、エネルギー基質の供給や熱産生などの代謝動態、アディポサイトカインを評価する。2)敗血症における脂肪細胞でオートファジーが機能するメカニズム解明のため、LPS投与後の脂肪特異的Atg5KOマウスの脂肪組織を用いて網羅的蛋白解析を行う。3)敗血症における脂肪細胞でのオートファジー阻害メカニズム解明のため、LPSや炎症性サイトカインで脂肪細胞を刺激し、容量依存的にオートファジーが阻害されるかin vitro実験を行う。 本年度では1)にかかわる、脂肪組織での炎症反応惹起、増幅について、COVID-19における過剰炎症を引き起こす病態について研究をおこなった。脂肪細胞で産生されるレジスチンが細菌性の敗血症において、炎症性サイトカインと関連を持っていることを過去に報告している。そこで、COVID-19におけるレジスチンの役割を患者血漿を用いて評価した。その結果、COVID-19においてもレジスチンは炎症性のサイトカインと関連をもち、さらに血管内皮障害マーカーとも関連をみとめたことから、重症COVID-19の新たな病態解明につながる可能性があることを明らかにした(Ebihara T et al. Resistin Associated With Cytokines and Endothelial Cell Adhesion Molecules Is Related to Worse Outcome in COVID-19. Front Immunol. 2022 Jun 16;13:830061. doi: 10.3389/fimmu.2022.830061. )
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19のパンデミックに加え、動物実験施設が使えない時期があり基礎研究の進行に影響があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪細胞でのオートファジーが炎症反応の活性化を引き起こすメカニズムを明らかにするため下記の研究を検討している。 脂肪組織におけるRNAの網羅的解析の結果Atg5KOマウスではLPS投与後WTと比較してCITED2、TRIM24の発現が上昇していることが予想された。これがRNAの発現が上昇しているのかタンパク量自体が増加しているのかを明らかにする。WTマウスならびに脂肪細胞特異的Atg5KOマウスの脂肪組織を用いてqPCRならびにWester blot法によりCITED2、TRIM24を評価する。
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックと動物実験施設が使用できない時期があったことにより想定した実験を遂行することができなかったため。2021年度に実施予定であった、CITED2、TRIM24が脂肪細胞のオートファジーによりどのように制御されているかを明らかにするための基礎実験に必要な物品購入費用。今回の研究成果をまとめた論文の英文校正費用ならびにオープンアクセス費用として使用を予定している。
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Research Products
(1 results)