2022 Fiscal Year Research-status Report
救急外来からの連続的な脳波データを活用した非けいれん性発作の神経傷害機構の解明
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20K17894
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 宏 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80851849)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 簡易脳波 / 熱性けいれん / 急性脳症 / 急性脳炎 / てんかん / てんかん重積 / 救急外来 / 意識障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、兵庫県立こども病院の救急外来に意識障害で受診した小児の簡易脳波データ56例に対してAmerican Clinical Neurophysiology Society’s 2021 standardized critical care EEG terminologyを用いた詳細な脳波の記述を行った。さらに臨床情報を収集し、熱性けいれん群(n=32)、急性脳炎・脳症群(n=8)、てんかん群(n=10)、てんかん患者で有熱時発作群(n=6)に分けてそれぞれの脳波の特徴の比較を行った。結果、全体では焦点性より全般性脳波パターンが多いことがわかった。また熱性けいれん群と急性脳炎・脳症群ではrhythmic delta activity(RDA)が多く、熱性けいれん群の約25%は急性脳炎・脳症群では認めなかったθ帯域のrhythmic activityを認め、それが特徴の違いであることが示唆された。この結果を海外英文誌に投稿して査読中である。次年度はさらに、熱性けいれんおよび急性脳症/脳炎の血液と髄液検体の神経傷害マーカーの測定を追加することで、救急外来脳波と神経傷害マーカーの関連を調べることにより総合的な神経傷害機構の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、兵庫県立こども病院の救急外来に意識障害で受診した小児の簡易脳波データ56例に対して上記の通り救急外来の簡易脳波の新しい知見が得られ、海外英文誌に投稿することができた。これに関しては予定通りである。また神経傷害マーカーに関しては解析する症例数が不足しており、現在新しい症例を追加中である。症例が集まれば解析予定であり、症例が集まる目途が立っている。よって研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、現在投稿中の海外英文誌を受理させる予定である。また、熱性けいれんおよび急性脳症/脳炎の症例数を増やして血液と髄液検体の神経傷害マーカーの測定を追加することで、救急外来脳波と神経傷害マーカーの関連を調べることにより総合的な神経傷害機構の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
熱性けいれんと急性脳症/急性脳炎の症例が不足したため、神経傷害マーカーの測定ができなかったため。次年度で症例が集まる目途が立ったので測定可能となる見込みである。
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Research Products
(1 results)