2023 Fiscal Year Research-status Report
重症患者に発症するびまん性神経障害の動物モデル作成及び病態解明
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20K17898
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 浩平 広島大学, 病院(医), 講師 (50526225)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ICU-AW / 集中治療後症候群 / 敗血症 / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続きCLP(cecal ligation and puncture)マウスでの実験を継続するとともに,昨年度の実験で得られた知見を基に,敗血症患者の血漿を用いて、ミトコンドリアタンパク質であるトランスロケータープロテイン(TSPO)の測定を行った。敗血症患者では健常者に比べて、血漿中のTSPOが有意に低下しており、血漿TSPOが敗血症診断に有用である可能性を示した。また、この機序の解明の過程で、ミトコンドリア機能障害の指標とされるgrowth differentiation factor 15 (GDF-15)に着目し、ELISA法で敗血症患者の血漿GDF-15を測定した。敗血症合併症の一つである敗血症心筋症を合併した患者の血漿中ではGDF-15が有意に上昇しており、敗血症性心筋症のバイオマーカーになりうることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行に伴い,臨床面での負担が大きく研究にエフォートを割けず,また研究における家兎の管理などについて助言を得る予定の担当者の異 動なども重なった.
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Strategy for Future Research Activity |
確立した人工呼吸管理や抗菌薬治療などの介入を行う,より実際の集中治療に則したモデルの確立を目指し,筋肉組織の病理学的評価も並行して進める.またこ れらの知見を家兎へも応用に取り組む.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により研究の遂行に遅れが生じたため,研究計画に沿った物品の購入ができなかった.次年度は引き続き動物実験によるモデル確立を 目指す予定である.
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