2021 Fiscal Year Research-status Report
持続的血液浄化療法における局所冷却法を用いた抗凝固
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20K17902
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
千原 伸也 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60725597)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CRRT / CHF / 前希釈 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の影響で予定していた動物実験が実施できなかったが,試験液を用いて,持続的腎代替療法(CRRT)の血液回路の流向に応じた回路内試験液温度の変化を測定した.特に持続的血液濾過(CHF)の前希釈法と後希釈法の違いよって,ヘモフィルター前,返血ドリップチャンバー前の血液回路内の試験液温度に差があった. 目的としている血液回路内温度は28-32℃であるが,CRRT循環前の試験液の温度は37℃に設定し,前希釈法ではヘモフィルター前で34℃,返血ドリップチャンバー前が33℃と目的の温度にするためには補充液流量を増加する必要があると考えられた.一方,後希釈法では前希釈法ではヘモフィルター前で36℃,返血ドリップチャンバー前が32℃となり,返血ドリップチャンバー前は目的温度に到達した. CHF施行中の血液回路内の温度を下げるためには,補充液による希釈のみでは不十分なことが分かった.血液流量と補充液流量の比率の調整による温度調節,血液回路の外側から物理的に冷却することによって血液回路内の温度を下げることは可能になるが,体外循環中,恒常的に低体温を保つことは難しいと考えられた.臨床で用いるためには,血液回路の送血側で35-37℃まで復温する必要があり,このためのデバイスの検討が必要であると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響による資材調達,マンパワー確保ができなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
CRRTの血液回路内において,どの箇所を低温することでfilter life-timeを延長できるのか同定し,結果に応じたデバイス,施行方法を導く.
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Causes of Carryover |
COVIDの影響で動物実験ができなかったため研究ができなかった. 今後は動物を用いずに,in vitroでの実験を中心に行う予定である. in vitoroの場合はサイトカインなどの試薬,デバイスの購入が必要になる.
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