2023 Fiscal Year Research-status Report
持続的血液浄化療法における局所冷却法を用いた抗凝固
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20K17902
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Research Institution | Japan Healthcare University |
Principal Investigator |
千原 伸也 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (60725597)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CRRT / 希釈法 / CHF |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】 生体ブタを用いたCRRTの局所冷却法のfilter life-timeの差と各種溶質クリアランスの差の比較検討を目的としていた.しかし,パンデミックにより動物実験が困難となり,パンデミック後も学外の実験は規制されたことにより,方向を変え,ブタ血液を用いたin vitro実験に切り替えた.予備実験として生理食塩水を灌流した実験を行い,前希釈CHFと後希釈CHFの生体内に流入する温度の把握はできた.ブタの血液を用いて本実験に及んだが,ブタの血液の凝固コントロールに難渋しており,ヘパリン,クエン酸,低分子ヘパリン,メシル酸ナファモスタットを用いて実験しているが,ヒト血液と同様にできず,再現性も非常に難しいことが分かった.今後はブタの血液によるCRRTで4-5時間程度で固まるように調整する.抗凝固薬の配合を急務とする. 【今後の実施計画】 ブタの血液5Lに対し,ヘパリン10000U,20000U,30000UでCRRTを施行し,どの程度で回路凝固するか検討する.仮に1-2時間程度で凝固した場合はクエン酸を添加する.CRRTを施行して4-5時間で凝固するように調整ができたことで実験系の確立とする.ブタ血液を用いて,局所冷却のCRRTと一般的なCRRTを同じブタ血液を用いて灌流し(再循環法),filter life-timeを比較検討する.この時予想されるfilter life-timeは局所冷却法で8-9時間,一般的なCRRTで4-5時間であると考える.この実験は少なくとも6回以上検討し,統計的な検定を行う必要がある.当初はサイトカインの測定を行う予定であったが,filter life-timeの検討を最優先し施行する予定である.しかし,電解質やクレアチニンなどの小分子量物質のクリアランスは簡易的に測定できるため,測定項目として加える. また,可能であれば北海道酪農学園大学の協力をえて,生体ブタでの実験の可能性を模索する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスによるパンデミックで予定していた動物実験ができなくなり,ブタ血液によるin vitro実験に予定を大幅に変更した.購入するブタ血液は細胞死が起きており,すでに固まりやすい状態で抗凝固薬が効かない血液もあるため,適度な抗凝固を模索している状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
ブタ血液の抗凝固を確立(4-5時間のCRRTで凝固)することが最優先である.
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Causes of Carryover |
ブタ血液の抗凝固調整に難渋している. 令和6年度はブタ血液の購入(屠殺ブタの血液),抗凝固薬,CRRTの血液回路などの消耗品費用を算出予定である.
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