2021 Fiscal Year Research-status Report
プラスミノーゲンアクチベータ受容体の血中濃度による高齢救急患者の予後予測
Project/Area Number |
20K17910
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
光永 敏哉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60838936)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | suPAR / 高齢救急 / 病院前トリアージ / 入院予測 / 死亡予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は非特異的炎症マーカーである可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ受容体(suPAR)と医療従事者が救急受診が必要と判断した非外傷性高齢救急患者の予後(入院・死亡)について検討する、前向き観察研究である。 2020年9月より症例登録を開始し、2022年4月時点で45症例が登録となり、すでに43例がフォローアップ期間まで終了となっている。目標症例数は当初200例としたが予想よりも脱落率が著しく少なかったことと、新型コロナウイルス感染症の影響による救急患者の受診制限を約半年間受けたことにより大幅に減らす必要性が生じた。サンプルサイズ計算を変更し目標症例数は60名に変更した。 研究計画の中では自宅内などでの採血検体採取を想定したが、実際には病院前での検体採取は困難であり、対象症例を病院前で医師や看護師といった医療従事者が介入し救急受診が必要と判断され、救急外来を受診(救急車・民間救急車・自家用車など)した、非外傷性の65歳以上と変更した。 さらに、研究開始当初は救急入院不要群(Unnecessary admission group)を設定したものの、定義が曖昧であったため、新規の先行研究を参照に、Preventable Emergency Admission (PEA)を設定した。 呼吸・血圧・SpO2・体温・呼吸数などバイタルサインや病歴、さらには採血結果を含め、研究計画で設定した評価項目については全項目を取得できている。 概ね、一ヶ月あたり3-5例の症例登録があり、研究の進捗状況としては研究内容を変更後、概ね予定通り進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、研究計画の大幅な見直しが必要となったが、変更後については定期的な症例登録も進み、概ね予定通りの進捗状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプルサイズ検定より52例の症例登録が必須である(脱落症例を予測し目標登録症例数は60例)。ただし、脱落率が少ない事から、必須症例数を得られた時点で統計解析へ移行する予定である。本研究におけるアウトカムとしては①入院ならびに②急性期死亡(来院後48h, 7day, 28day)である。現在のペースで症例登録が進めば7月までに症例登録を完了し、8月中に統計解析ならびに英文構成を終了し、9月には医学系英文雑誌へ投稿予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による、救急受診受け入れ制限の影響による、研究進捗の停滞のため、研究期間を1年間延長としたため。今後の研究費の主な使用目的は、英文構成費用ならびに医学雑誌投稿費用と学会発表費用うになる予定。
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