2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者重症患者に対する漢方を併用した経腸栄養療法:骨格筋維持を目指す基礎研究
Project/Area Number |
20K17912
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
藤井 研介 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (50846904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 漢方 / サルコペニア / 重度侵襲モデル / 敗血症 / 熱傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
重度侵襲モデルを用いて、人参養栄湯による骨格筋減少の予防効果を組織・分子学的に検証し、予後に与える影響を評価することを目的に本年度は以下の計画と研究に着手している。 ①実験環境の設備 研究の遂行にあたり、本学委員会(倫理委員会、動物実験委員会、特定生物安全管理委員会)への申請を行った。下記の重症侵襲モデルを用いて、Ⅰ:生存率 Ⅱ:血中免疫および炎症細胞評価 Ⅲ:下腿筋肉量(マイクロCT/重量) Ⅳ:下腿筋の組織学的評価(免疫組織化学染色)Ⅴ:下腿筋の分子学的評価(筋委縮に関する発現タンパク・遺伝子解析)の検討を行う。その計画を遂行する上で必要な本学設備を確認し、機器の使用法を予備実験にて習得することを目指している。 ②重症侵襲モデルの確立 盲腸結紮穿刺(cecal ligation and puncture:CLP)モデル:6~8週齢のマウスを三種混合麻酔下に開腹し、腹腔内から盲腸を取り出し根部を縫合糸にて結紮し、20ゲージ注射針を用いて盲腸壁全層にわたり穿刺した後に閉腹する。重症熱傷モデル:6~8週齢のマウスを三種混合麻酔下に背部を剃毛し、9秒間94℃のお湯で熱傷(痛覚の消失するⅢ度熱傷)を加える。上記の重症侵襲モデルを中心に作製し、個体間でのばらつきを抑えるため準備実験として手技の習得を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重度侵襲モデルの作製にあたり、個体間でのばらつきを抑えるために、手技修得を目的とした予備実験とそのデータ評価に時間を要したため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験のデータをまとめ、安定した手技および結果が得られた段階で、本実験に移行する。本実験では、予後の検討と骨格筋減少の予防効果を組織・分子学的に評価する。
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Causes of Carryover |
重度侵襲モデルの作製にあたり、個体間でのばらつきを抑えるための手技修得に時間を要した。また予備実験とそのデータ解析に時間を要しており、当初飼育予定だったマウスの購入量が少なくなったため次年度使用額が生じた。次年度は手技修得の後、重症侵襲モデルを用いて組織・分子学的解析を行う。そのため、マウスの購入の他に血中炎症細胞やマーカーの測定、CTによるボリュームメトリーなどの検査および解析に使用予定である。加えて、筋肉における免疫組織化学染色やタンパク・遺伝子発現解析における抗体や試薬、物品にも使用する予定である。
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