2021 Fiscal Year Research-status Report
Immunosuppression and chemoresistance of malignant glioma: functions of IL-34 in the tumor microenvironment
Project/Area Number |
20K17916
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉井 成志 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10851090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 悪性神経膠腫 / IL-34 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性神経膠腫の腫瘍微小環境において、IL-34というサイトカインが、腫瘍の治療抵抗性にどのように関与しているのかを調べることを目的とした研究である。 ヒト由来・マウス由来のそれぞれの複数の悪性神経膠腫の細胞株に対して、実臨床で神経膠腫に対する治療薬として使用しうる複数の薬剤を用いて、耐性株を作成する。耐性株作成後、それらを用いてIL-34の発現の違いや、IL-34ノックダウン/付加の状況下での性質の変化等を調べる。マウス動物モデルを作成し、耐性株やIL-34の発現状況の変化に応じた免疫細胞の評価を行っていく。 本年は、各種細胞(U87、U118、U251、TS、GL261)に対して、テモゾロミド、ACNU、プロカルバジン、ビンクリスチンなど複数の各抗腫瘍薬(殺細胞性の化学療法剤)に対する耐性株を作成を試みた。各細胞株の各化学療法剤の組み合わせにおけるおおむねのIC50値を評価した。 ほとんどの耐性を示す細胞株の作成はできたものの、細胞の種類や化学療法剤の組み合わせによっては、まだ安定した耐性株が得られていないのが実情である。また、耐性株はおおむね成長速度が遅いため、in vitroでは増殖が得られても、動物に接種して腫瘍が生着するのかは未確認である。 今後は、安定した細胞株の作成をさらに進めていくこと、IC50に関して別の実験系も用いながら再現性を確かめていく予定である。RNAやタンパクの発現の評価、マウスモデルの作成による治療実験も行っていくことを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由は2つある。 1つ目は研究者自身の主な所属が変更になったこと(所属機関や役職の変更はないが、部署が変更となった)。それに伴い、新部署での新たな業務が上乗せになったが、旧部署での仕事はおおむね今まで通りこなす必要が生じ、結果として研究に割けるエフォートがかなり少なくならざるをえなくなった。 2つ目は、耐性株の作成が順調に進まず、研究全体の進行が滞ってしまったことにある。
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Strategy for Future Research Activity |
上記記載した部署変更に伴う業務量の増加だが、研究者の慣れの部分 また、同じ研究室の他の研究者の協力を得ることとしたため、連携して研究を行うことで研究の進行の効率化を図っていく。
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Causes of Carryover |
複数の要因がある。 研究全体の遂行が遅れているため、購入する物品が本年度は少なくなったこと。また、世界的なcovid-19の流行に伴い、所属研究機関の方針として海外の学会参加が基本的にできなくなったことや学会の開催形式がwebを使用したハイブリッド形式となったことに伴い、旅費の形状が少なく済んだこと。
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