2021 Fiscal Year Research-status Report
radiomics解析を用いた定位放射線治療シミュレーションモデルの開発応用
Project/Area Number |
20K17919
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 祐貴 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20844616)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 定位放射線治療 / ガンマナイフ / 予後予測シミュレーション / radiomics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではradiomicsを用いて、脳腫瘍における定位放射線治療(ガンマナイフ)の治療反応性を予測するsimulation modelを確立することを目的とした。 現在までの研究成果は下記のとおりで ある。 (1)研究代表者が所属する東京大学脳神経外科のガンマナイフ治療データ3800件の中から、転移性脳腫瘍1000例、 髄膜腫500例を抽出した。治療前後の臨床情報と治療後画像情報を有する転移性脳腫瘍100例の治療時画像データ、線量計画データ、治療前後の臨床データを抽出 した。同様の手順で、長期治療後臨床情報を有する髄膜腫100例のデータを抽出した。 (2)これらの臨床データと治療時画像データをインプットし治療反応性を制御可/不可の二値変数としてアウトプットした。(3)治療時医用画像を用いて腫瘍輪郭 を抽出した(セグメンテーション)。セグメンテーションには線量計画データを用い腫瘍輪郭を過不足なく囲った線量ラインを用いた。(4)セグメンテーション画 像から腫瘍の形態的特徴量、画素値ヒストグラムの特徴量、画素値の空間的分布の均質・不均質性を定量化したテクスチャ特徴量を専用のソフトウェアを用いて 抽出した。ヒストグラム特徴量及びテクスチャ特徴量はフィルター処理を施し特定の構造やパターンを強調・低減させた画像からも抽出した。(5)以上のプロセ スを経て、計695因子の画像特徴量を抽出した。(6)これらの画像特徴量および臨床情報を集積したデータベースを作成した。 これらのデー タベースを用いて、 ガンマナイフ治療反応予測モデルを開発した。予後予測精度80%超までの精度が達成できており、今後90%超までの予後予測達成を目指してさらなる開発を進めていく。 また、特に頭蓋底部髄膜腫における予後予測解析の結果について、国内学会で発表予定であり、国際学術誌への論文投稿も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時から現時点までに、最も時間を要する画像特徴量の抽出、および臨床情報を集積したデータベース作成作業がすでに完了している。現在シミュレーションモデルを用いた予後予測が80%程度の精度で達成できている状況である。さらなる精度向上が見込まれ、学会発表・論文報告が十分可能な状況 と考えられる。腫瘍ごと、部位ごとの解析結果について学会発表、論文報告の準備段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、上記のステップで作成したsimulation modelの中から、さらなる予後予測精度向上が達成できるよう、解析を進めている。 本年は実際のガンマナイフの治療精度80-90%を超えた予後予測モデルが完成することを目指す。 また、腫瘍ごと、部位ごとの解析結果について学会発表、論文報告を予定している。
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Causes of Carryover |
概ね予定通りの研究運営が行えており、研究費使用もそれに沿ったものとなっている。 上記のごとく、わずかに余剰金が発生している。今年度の解析に必要な 物品(ワークステーション、解析ソフト、コンピューター等)は概ねそろった状況となった。翌年度の助成金ならびに余剰金を使用し、次年度も引き続き研究設備を拡充し、学会発表(参加費、交通費)、論文出版(英文校正費、出版費)を行う予定としている。
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