2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a new prognostic factor ephrin-A2 for glioblastoma
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20K17924
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平井 希 金沢大学, 附属病院, 医員 (10866445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ephrin-A2 / 膠芽腫 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】細胞浸潤に関与するチロシンキナーゼファミリーの一つであるEph受容体/ephrinリガンドシステムの重要性は細胞間接着を介したシグナル伝達様式を持ち、がん細胞の遊走、浸潤、増殖などの悪性形質に関わっている。ヒトで14種類存在するEph受容体の膠芽腫における機能は徐々に解明されているが、9種類存在するephrinリガンドに関する報告は少なく、中でもephrin-A2の機能は未知である。本研究ではグリオーマ細胞株におけるephrin-A2の機能解析を行い膠芽腫における役割を検討した。 【方法】グリオーマ細胞株(SNB19、T98G、A172、U251、U87)におけるephrin-A2の発現量をreal-time PCR法で評価し免疫細胞染色にて局在を確認した。Ephrin-A2の発現量が高いグリオーマ細胞株に対してsiRNAを用いてephrin-A2をノックダウンし、Phalloidin染色にて細胞形態の変化を評価した。タイムラプス撮影法を用いて細胞遊走能をコントロール群と比較しin vitro assay系で遊走能、浸潤能、増殖能を評価した。これらの変化に寄与するシグナル伝達経路について解析した。 【結果】SNB19とT98G でephrin-A2が高発現しており、主に細胞膜上にその発現を確認した。これらの細胞株でephrin-A2をノックダウンすると、細胞突起が短縮する形態変化を認めた。タイムラプス撮影では細胞遊走能が低下しており、遊走能、浸潤能の低下を認めた。Ephrin-A2ノックダウン細胞株ではFAKのリン酸化が抑制された。 【結論】膠芽腫細胞膜タンパクであるephrin-A2は膠芽腫の微小環境において細胞同士の相互作用によりFAKのリン酸化を介して遊走能、浸潤能を促進している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリオーマ細胞株におけるephrin-A2シグナルによる細胞特性変化及びシグナルメカニズムに関する検討が順調に進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
グリオーマ幹細胞を用いてephrin-A2シグナルメカニズムの評価を行う。マウスにephrin-A2をノックダウンしたグリオーマ幹細胞を脳内移植しin vivoでのephrin-A2作用の評価を行う。
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Causes of Carryover |
学会参加がオンラインとなり旅費が不要となったため。2021年度は動物実験などを予定しているため消耗品購入費として使用する予定である。
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