2022 Fiscal Year Annual Research Report
Olig2発現前駆細胞をターゲットにしたびまん性橋膠腫モデルに対する遺伝子治療
Project/Area Number |
20K17931
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
島津 洋介 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90854084)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ad-SGE-REIC / びまん性橋膠腫モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
当初RCAS/Tv-aシステムを用いた脳腫瘍モデル作成を試みていたが、マウスの飼育環境、繁殖の問題があり、結局その脳腫瘍モデルを作成できなかった。代わりに、悪性グリオーマ細胞株を用いて脳幹に定位的に注入したマウス脳腫瘍モデルの作成を行い、生存期間延長効果の検討や組織学的検討を進めていく予定であったが、研究責任者の所属が変更になったり、COVID-19の流行があったりしたため、計画通りに実験を進めていくことができなかった。Ad-SGE-REICを用いた実験に関しては、当研究室でAd-SGE-REICとbevacizumabの併用に関する基礎実験を行い、その結果を論文にして、publishされた。具体的にはAd-SGE-REICとbevacizumabの併用により、invasion assayで浸潤細胞数を有意に減少させ、グリオーマ幹細胞に対してはsphere形成能を有意に減少させた。ウェスタンブロットにおいては、bevacizumabとAd-SGE-REICの併用により、小胞体ストレスマーカーの発現が増加し、β-cateninタンパク質の減少が見られた。また、アポトーシスマーカーの発現も併用療法を行った細胞で増加していた。悪性神経膠腫マウスモデルを使用したin vivo実験では、併用療法群で全生存期間が延長された。腫瘍組織を免疫染色で詳細に検討すると、腫瘍血管の数、および浸潤細胞の数が、単独療法と比較して併用療法で有意に減少していることがわかった。これらの結果から、Ad-SGE-REICとbevacizumabの併用療法は、腫瘍の血管新生と浸潤を抑制することにより抗腫瘍効果を発揮することが示唆された。また、研究代表者が米国で行っていたOlig2発現前駆細胞をターゲットにしたびまん性橋膠腫モデルに関する研究結果を論文にして、publishされた。
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[Journal Article] Genomic profiling of a case of glioneuronal tumor with neuropil-like islands2022
Author(s)
Tsuboi N , Ishida J , Shimazu Y , Edaki H , Uneda A , Otani Y , Fujii K , Kurozumi K , Ennishi D , Yanai H , Date I
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Journal Title
Acta Medica Okayama
Volume: 76(4)
Pages: 473-477
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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