2020 Fiscal Year Research-status Report
限局性皮質異形成における体細胞変異、コピー数異常検出による遺伝的原因の解明
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20K17936
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 京志 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20805113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 難治性てんかん / 体細胞変異 / 次世代シークエンス / mTOR |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性てんかんの原因となる限局性皮質異形成(Focal cortical dysplasia, FCD)の原因として、mTORパスウェイ関連遺伝子(MTOR、DEPDC5、TSC1、TSC2)の脳組織特異的な体細胞変異が報告されている。申請者らはFCD症例に対して血液・脳組織由来のペアDNAサンプルと次世代シークエンサーを用いた高感度な体細胞変異解析を実施したが、約70%(42/61)の解析症例においては変異を見いだせていないため、未解決症例の脳組織特異的な体細胞遺伝子コピー数異常(Copy number variation, CNV)の関与が示唆される。FCDの治療ではmTOR阻害薬の治験が開始されており、疾患原因の同定が治療薬選択に有用な情報となりうるため、本研究ではFCDにおいて体細胞変異の検出、未解決症例の体細胞CNVの検出を行い、新規原因遺伝子の同定を目指す。 原因となる変異が同定されていない未解決の症例のうち、今年度は23症例に対しSNPアレイを用いたCNV解析を実施したが、原因と考えられられるCNVは検出されなかった。また、血液と脳組織の過去の全エクソーム解析の再解析を実施したところ、新たに2症例において疾患の原因と考えられる体細胞変異を同定した。どちらも過去にFCDにおいて報告のない種類の変異または遺伝子であり、解析ソフトの変更により検出できた変異であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全エクソームの再解析により、これまでにFCDで報告されていない種類のバリアントや遺伝子を検出しており、SNPアレイも未解決症例の約半数に実施済みであるため解析状況は予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
23症例のSNPアレイでは疾患原因と考えられるCNVは検出されず、別の解析手法を用いてCNVを検出するために、mTORパスウェイ関連遺伝子のディープシークエンスデータによる高感度な体細胞CNVの検出系を構築中である。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンスは症例を集積してから外注の依頼をしているが、今年度は提出件数まで集積しなかったため最終年度にまとめて提出する予定である。
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