2022 Fiscal Year Annual Research Report
虚血脳疾患における細胞シート移植の有効性と安全性の確認
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20K17941
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
荒井 孝至 東京女子医科大学, 医学部, 医療練士研修生 (10840077)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幹細胞 / ラット / 脳波 / シート |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究は血管塞栓糸を用いて中大脳動脈閉塞を発症させることによって脳梗塞作成ラットを作成し、それに対する幹細胞シートの脳への移植の有効性の再確認と、さらに脳波測定によるてんかん波の発生率の変化を確認することによる安全性の確認をすることである。有効性として脳梗塞ラットに発症する麻痺や感覚障害、空間認識などの神経症状をローターテスト試験やmNSSテストを用いて障害の改善率を評価することとした。2021年度までの研究で前任研究者が証明したSDラットに対する有効性に加えて、Wisterラットに対する移植の有効性も確認することができた。前任者の評価項目に加えて、新たにY maze testといった客観的神経所見の評価項目も追加し有意差をもった有効性の確認を得ることができた。さらにWisterラットに対する研究では細胞シート移植の安全性の確認として脳波測定を同時に行い、てんかんの発症リスクも存在するか評価することとした。細胞シート移植群と、非移植群に10匹ずつ分け、合計20匹のラットでビデオ付き脳波測定を行い、細胞シート移植群と、非移植群とで明らかなてんかん波の出現率に差がないことを確認した。しかし脳波所見の主観的評価はバイアスが含まれやすいことが知られており、脳波解析ソフトを用いて客観的評価も行うこととした。客観的評価をするにあたり評価項目や条件を検討した。 病理学的検討として、細胞シート移植群と非移植群での脳梗塞完成領域の違いにつき評価し有意差を持って移植群の方が脳梗塞完成領域が小さいことが確認された。
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