2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17961
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 欣也 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (90867904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | もやもや病 / 遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はもやもや病患者と対照として脳動脈瘤およびてんかん患者の脳表動脈血管壁検体からのtotal RNAの抽出とマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った。もやもや病患者11例と対照9例の統計学的な比較では、もやもや病群において62個が高発現、26個が低発現の発現変動遺伝子として抽出された。アレイデータに対するGene set enrichment analysisでは、もやもや病群において免疫応答・炎症に関わるパスウェイが高発現、酸化的リン酸化反応に関わるパスウェイが低発現であった。また抽出した発現変動遺伝子に対して定量PCRを行ってマイクロアレイの再現性の確認を行った。これらの結果について論文化を行い、現在欧文誌へ投稿中である。またこれらの発現変動遺伝子がコードしている蛋白質を標的として、ウェスタンブロット法を用いた、もやもや病病変部血管における蛋白の定量解析を進めている。さらに病変部における、もやもや病感受性遺伝子変異の遺伝子発現への影響の調査を目的として、現時点でもやもや病患者21例についてマイクロアレイを実施、野生型7例とヘテロ接合体型14例の比較を行った。現在結果について論文化を進めている。今後は特に若年の対象群の検体を蓄積することで、もやもや病の主たる年齢層である、18歳未満の患者群にfocusした遺伝子発現解析を行っていく予定である。また、方法については今後マイクロアレイに代わり次世代シークエンサーを用いることで、再現性の確認や、新たな知見を得ることができるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では論文化と投稿については2021年度に行う予定であったが、2020年度内に投稿が可能となった。またもやもや病感受性遺伝子変異のもやもや病病変部における遺伝子発現への影響についても、2020年度内にある程度の結果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点までの発現解析は、主に成人の患者/対照群間の比較を行っているが、特に若年の対象群の検体を蓄積することで、もやもや病の主たる年齢層である、18歳未満の患者群にfocusした遺伝子発現解析を行っていく予定である。また、方法については今後マイクロアレイに代わり次世代シークエンサーを用いることで、再現性の確認や、新たな知見を得ることができるものと考えている。
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Causes of Carryover |
端数が次年度使用額となった。少額であるため2021年度に問題なく使用できるものと考えている。
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