2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17976
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
東島 威史 横浜市立大学, 医学研究科, 共同研究員 (90869190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | LOTUS / 神経再生因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画としては、既存の遺伝子改変ラットを使用し、てんかんへの反応性を検討する計画であった。しかし遺伝子改変ラットは生殖能力が非常に低く、交配が 困難であり、遺伝子改変ラットの使用が不可能となった。そこで、このラットと同様の作用を示すラットを作成するため、様々な試みを行っている。予定してい た遺伝子改変ラットはLateral olfactory tract usher substance (LOTUS)と呼ばれるタンパクを過剰生産する様に遺伝子を改変したラットである。このLOTUSは Nogo受容体1に結合し、その作用を阻害する。Nogo受容体1は神経の過剰な成長を阻害して調節を行う機能を持っており、この作用を阻害することで、神経の再 生を促すことが出来る。この作用がてんかんに対して保護的に作用するかどうかを検証するのが、今回の実験の目的であった。その目的に沿うため、Nogo受容体 を阻害するNEP1-40というタンパクを購入し、LOTUSのモデルラットを作成する様に再計画した。現在はNEP1-40タンパクを入手方法を検討している。ただしこのタンパクは脳血液関門を通過せず、皮下投与をしても中枢神経にうまく移行しない。そこで髄腔内投与を行う必要あるが、どの程度随腔に移行出来ているかの評価が必要である。現状で実Nogo受容体1の染色交代は購入済みであり、さらに投与するための機器を揃えて投与する手技の確立を目指している。まずは生理食塩水を投与し、スライス標本を作成し、再現性を確認し、NEP-1タンパクが入手出来次第、投与を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
LOTUSラットの繁殖に失敗し、同様のモデル生物の確保に難渋している。 通常のラットにNogo受容体阻害薬を投与し、同様のモデル生物になるかどうかを試みる実験をしている。 既存のNogo受容体阻害薬は血液脳関門を通過せず、安定した投与経路の確保に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はLOTUS ラットの代替としてNogoR1阻害薬を投与し、脳に作用するかどうかを確認する。 現在は過去の文献に倣い、脳室内単回投与を試みているが、手技的に再現性の問題もあり、難渋している。 正確で再現性のある投与経路を確保し、NogoR1投与を行い、脳への作用を確認する。脳へ浸透を確認出来たらNogoR1投与後にてんかん誘発を行い、てんかん原性獲得への抵抗性などを検討する。
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Causes of Carryover |
Nogo受容体阻害薬が入手できておらず、ラット及び試薬購入費として残っている。
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