2022 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経再生における臨床応用へ向けた間葉系幹細胞シート移植法の開発
Project/Area Number |
20K17978
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
劉 美憬 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10770985)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞シート / 間葉系幹細胞 / 脳梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経幹細胞の発見に伴い神経再生研究は急速に発展してきたが、脳梗塞がもたらす重度後遺症は未解決の重大な課題である。近年では幹細胞を用いた細胞療法の報告が多くされるようになり、中でも間葉系幹細胞はその胚葉を越えた神経細胞への分化能や、脳保護効果のあるサイトカイン分泌能から、新たな細胞ソースとして特に注目されている。 我々は新たな移植法として脳梗塞動物モデルにおける他家間葉系幹細胞シート移植の有効性を報告し、細胞シート移植による機能的血管新生と神経再生をもたらすことを既に示しているが、慢性虚血モデルに対する移植の治療効果はこれまで検討されていなかった。また、細胞シート移植の安全性として痙攣誘発リスクに関しても検討が無かった。本研究は慢性虚血モデルラット(両側頚動脈結紮)を用いて、脳梗塞に対する細胞シート移植の治療効果を検討し、その安全性を評価することが目的である。持続脳は測定ロガーを用いた、細胞シート移植後の脳波測定を施行した。 一方で、機器の埋め込みに伴う感染などもあり、十分な数の測定結果が得られなかった。そのため、実験プロトロールの変更を要した。実験計画の再検討に伴い、継続した動物実験ができない状況が続いた。また、慢性期脳虚血モデルの問題点として、脳梗塞症状の自然回復が認められる群も存在することが分かり、比較的長期間の行動評価方法において課題が残る結果となった。 今後は安定した測定方法の確立を達成した後で、順次、細胞シートの移植実験、行動評価、脳波測定へ移っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験動物の脳波測定を目的とした機器埋め込みに伴う感染などもあり、十分な数の測定結果が得られなかった。そのため、実験プロトロールの変更を要しており、当初の実験計画と異なった進捗となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
適切な測定装置の埋め込み方法の確立、その後の脳波測定、行動実験などを通じて、次年度以降は慢性脳虚血モデルに対する間葉系肝細胞シート移植の有効性と安全性を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画の見直しに伴い、予定していた当該年度の所要額が支出されず、次年度使用額が生じた。
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