2020 Fiscal Year Research-status Report
ノックアウトラット脳動脈瘤モデルを用いた候補遺伝子Xの解析
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20K17979
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新井 直幸 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70868736)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / くも膜下出血 / レアバリアント / 候補遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、次世代型シーケンサーを駆使した頻度が低く効果サイズの高いレアバリアントの解析で特定された有望な脳動脈瘤感受性遺伝子Xについて、そのノックアウトラットモデルを作成し実際に脳動脈瘤形成が促進されるかを調べ、機能的にも脳動脈瘤原因遺伝子と判断できるかを検証することである。初年度は、株式会社特殊免疫研究所に依頼をして、候補遺伝子Xの遺伝子変異ラットを作成した。CRISPR/Cas9ゲノム編集システムを用いて遺伝子Xプロモーター領域からexon30までの約75kbを欠損した遺伝子変異ラット、ファウンダー(PCRスクリーニングおよびシークエンス解析で同定)を交配適期まで育成。このラットを野生型SDラットとの自然交配により6頭の産仔を得た。この6頭に対しPCRスクリーニングにより候補遺伝子X F1変異体候補個体の選別を行った結果、1頭のF1ヘテロ遺伝子変異ラットを同定した(ホモ変異体受精卵作成用種オス)。さらに、雌性ヘテロ変異体個体を得るため、候補遺伝子X変異ラット、ファウンダー、本個体、野生型SD系ラットとの自然交配により43頭の産仔を得た。これらにPCRスクリーニングを行い、若齢のホモ変異体受精卵作製用ヘテロ雌性個体を9頭準備できた。さらに、F1ヘテロ遺伝子変異同士の体外受精にて受精卵の凍結胚は192個を得た。今後は、これらを個体復帰させ、脳動脈瘤モデルを作成し、候補遺伝子Xの関与を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補遺伝子XのF1ヘテロ遺伝子変異同士の体外受精にて得た受精卵の凍結胚192個を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
3割前後の個体復帰率と考えて60匹前後の個体が得られる。これを用いて、高血圧負荷、血行力学的負荷をかけ脳動脈瘤モデルを作成し、脳動脈瘤発生率、増大率、破裂率をホモ変異、ヘテロ変異、野生型ラットで比較する。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変ラット作成にかかる費用に関して、当研究費からの出費が少なく済んだため。
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