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2020 Fiscal Year Research-status Report

軟部肉腫に対する患者由来腫瘍同所移植マウスモデルを用いた個別化医療の開発

Research Project

Project/Area Number 20K17991
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

五十嵐 健太郎  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (80622860)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords患者由来組織同所性異種移植 / 軟部肉腫 / 個別化医療
Outline of Annual Research Achievements

軟部肉腫は発生頻度が低く,100 種類以上の病理組織分類が存在しており,それぞれ全く異なる性質(発生部位,進展形式,転移様式,化学療法や放射線治療への反応)を持ついわゆる希少がんの集合である.
本研究では我々が新たに開発した「より臨床を反映した動物モデル」である患者由来組織同所性異種移植( Patient derived orthotopic xenograft: PDOX)モデルマウスを軟部肉腫に応用し,現在臨床において使用可能な薬剤を用い薬剤感受性試験を行うことで「PDOX モデルにおける薬剤感受性」を明らかとし,その結果と「臨床患者における治療効果」の相関につき検討を行い,軟部肉腫おける個別化医療の開発を目指している.
昨年度同意が得られた3名の軟部肉腫患者の手術に際し得られた検体を用いPDOXモデル作成を試みた.3例中2例でPDOXモデルを樹立し,薬剤感受性試験を施行した.1例はPDOXによる薬剤感受性試験が完遂する前に病状の悪化により永眠された.初回治療に用いたドキソルビシンに関してはPDOXによる薬剤感受性試験でも効果を認めなかった.急激な全身状態の悪化により2次治療を導入できなかったため,その他の薬剤の臨床上の奏功については評価できなかった.2例目に関してはドキソルビシンによる加療で効果が得られず,1次治療中にPDOXによる薬剤感受性試験結果が判明し,患者希望によりPDOXで効果の得られた薬剤を使用した後に手術を施行,術後再発なく経過良好となっている.
また,PDOX腫瘍を用い,現在細胞株樹立を目指し,実験中である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初年間PDOX作成に関して年間8例程度を目指していたが,コロナ禍による紹介患者の減少と当該施設での手術枠制限により3例のみPDOX樹立に向けた実験を施行した.
樹立効率に関しては我々の先行研究での60%と比較的近い66.6%であり,患者選択やPDOX樹立に向けた手技自体には特に問題がないものと考える.
組織学的検討に関しては各種免疫染色を予定しており,10例程度のPDOX樹立,薬剤感受性試験後にまとめて施行することで,薬剤を効率的に使用する予定としている.

Strategy for Future Research Activity

現在,昨年度と比較して手術枠制限は緩和されているものの,当該県におけるコロナ感染患者数の急激な高まりにより,本研究の対象患者の昨年度と比較した大幅な増加はなかなか見込めない現状にある.そこで,対象となる患者から同意が得られるよう誠心誠意本研究について説明を行い,研究に同意が得られる確率を上げる方向で調整している.
また,樹立したPDOX腫瘍に関してはこれまでの我々の報告同様に全例を凍結して保存しており,組織学的検討や追加の薬剤感受性試験が必要な場合いつでもPDOXモデルを再作成できるように準備,対応している.

Causes of Carryover

予定症例数に満たなかったため,実験に用いるマウスが予定よりも少なくなった.また,コロナ禍により,学会が軒並みweb開催となったため昨年度は旅費が発生しなかった.

URL: 

Published: 2021-12-27  

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