2020 Fiscal Year Research-status Report
独自開発したシート状脂肪幹細胞を用いた特発性大腿骨頭壊死症に対する治療法の開発
Project/Area Number |
20K17992
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上岡 顕 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60823010)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 大腿骨頭壊死 / 脂肪幹細胞 / 白色家兎 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪組織由来体性幹細胞(ADSC)の培養手技に関しては問題なく可能である。白色家兎は脂肪採取するのに十分な大きさがあり、特段の不都合なく採取が可能である。ADSCシートの作成に関しては、手技の一定化が進行しつつあるが、うまくシート化しないこともある。当教室では、ADSCシートを使用した他の研究も進行中であり、他の研究者とも連携をとりつつ、シート作成の手技を習熟させていく予定である。白色家兎を使用した大腿骨頭壊死モデルの作成に関しては、ある程度良好な結果を得られている。作成した骨孔から液体窒素を注入することは問題ないが、大腿骨顆間部からドリルを髄腔内に挿入、骨孔を作成する手技に関しては、大腿骨頭までの距離間をつかむ必要があり、多少の注意を要する。この手技により、大腿骨頭壊死モデルが作成されることは、事前研究において確認済みである。その後、ADSCシートもしくは通常のADSCを留置し、壊死再生の程度を確認する実験系であり、現在は4週留置モデルを作成中である。まずまず良好な結果は得られてはいるが、まだまだ手技の安定化を図っている段階である。今後は統計学的な検討も始めていく予定である。壊死組織の修復過程の評価には、μ-CT画像と病理切片での評価を予定している。μ-CTは本学内の研究施設内にあり、使用するには問題ない状況である。病理切片評価と合わせて引き続き検討をおこなう。病理切片の作成にやや難渋しているものの、当教室には熟練の研究アシスタントが常駐しており、適切な指導、補助を受けることができる環境下にある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ADSCをシート化する手技を安定するまでに時間がかかったことや、家兎の処置にもやや手間どったことが主因である。4週留置モデルが終了すれば、8週留置モデルは同様の手技であり、遅延も取り返せると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当教室では、ADSCを使った研究が本研究以外にも多数あり、手技の安定化やちょっとしたtipsを得やすい環境にある。また、動物実験舎の環境も良好で、白色家兎の予定外の死亡も最小限に抑えることができている。病理切片の評価も予定しているが、当教室には熟練の研究アシスタントが常駐しており、適切な指導、補助を受けれるため、今後の研究推進材料となるものと考える。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた最大の理由は、今年度はコロナ禍にあり、各種の学会が延期・中止・リモートとなったため、旅費が全く計上されなかったことが主因である。国際学会に関しては、3回参加予定であったがいずれも延期、中止となった。国内学会も多数が同様の状況である。予定外の次年度使用額があるため、当教室にはない設備を利用するために、外注検査なども念頭に置いている。
|