2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of thrombin in intervertebral disc degeneration
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20K17995
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高山 義裕 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (20596994)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / トロンビン / 血管新生 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化に伴い、腰痛による運動器障害はロコモティブシンドロームをもたらし要介護者の増加と関連している。腰痛の原因の一つに椎間板変性が関与しており、このメカニズムを解明することは社会的に喫緊の課題である。我々は、1)椎間板変性は炎症性細胞浸潤に起因すること、2)炎症関連サイトカインおよび分解酵素を同定した。変性メカニズムの多くは内側の髄核変化について報告されるが、申請者は椎間板外層からの変性メカニズムに注目している。 トロンビンの椎間板へ作用については炎症性サイトカインが分泌されることが報告される(Huang BR et al. Sci Rep 2017)。しかし詳細なメカニズムについては明らかにされていなかった。先行研究においてトロンビンがMCP-1やMMP-3を介して椎間板変性をもたらす一因となる可能性について我々が世界に先駆けて報告をした。 本研究は先行研究に基づき、発展させる研究である。その方法は顕微鏡を用いて5週齢のC57BL/6Jマウスより尾椎を摘出し、Ex vivoによる実験を行うものであり、申請者の所属する研究室において長年取り組んできた独自の実験方法である。 PAR1は血管内皮細胞において常に発現しており、損傷により形成されたトロンビンが早期に結合することで炎症を惹起し、この結果としてアテローム硬化が起こるとされる (Landis RC et al. Hematol Oncol Clin North Am 2007)。そのため、この炎症メカニズムをターゲットとした創薬が行われ、今日治療として用いられている。 本研究によって、トロンビンによる椎間板外層からの変性メカニズムを明らかとすることは、変性治療へのターゲットとなる分子の創薬を行って新規治療を開発し人類の健康寿命の長期化に寄与できるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ex vivoの実験として、マウスの尾椎から採取した椎間板に、トロンビンを作用させることによって炎症性サイトカインが分泌された。これと同時にVEGFの発現も、椎間板組織のPCR、免疫染色および上清中のELISAによって確かめられた。また、In vivoの実験としてマウスの尾椎へのpunctureモデルを用いて、椎間板組織でのVEGFの発現を確認した。 概ね、初年度の計画通りにすすでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Ex vivoおよびIn vivoで発現を確認したVEGFが実際に椎間板に血管新生を引き起こすか検討していく。また、VEGFのトロンビンの受容体であるPAR1が椎間板の血管新生にどのようにかかわっているかの解析を行っていく。
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Research Products
(2 results)