2020 Fiscal Year Research-status Report
大動物モデルを用いた膝前十字靭帯再建における高強度縫合糸補強の有用性評価
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20K17996
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天正 恵治 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20419378)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前十字靭帯損傷 / 前十字靭帯再建術 / 補強糸 / リモデリング / 豚 / 力学試験 / 組織学的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年3月までに家畜豚に対して全身麻酔下に右膝関節を切開し前十字靭帯を切除することで前十字靭帯断裂モデルを作成し、それに対して補強糸使用群5頭、通常手術群5頭、合計10頭の前十字靭帯再建手術を行った。そのうち補強糸使用群3頭、通常手術群4頭、合計7頭は術後12週の飼育期間の後に安楽殺・力学試験・組織学的評価が終了した。残りの3頭はそれぞれ飼育を継続し、術後12週での安楽殺・力学試験・組織学的評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画立案当初、研究に使用する豚の頭数は補強糸使用群10頭、通常手術群10頭での比較を予定していたが、ブタの購入・飼育・実験にかかる費用と科研費のうち実質使用可能な予算からは合計20頭の購入は困難であった。立案当初は飼育中に合併症などによる途中での人道的安楽殺が一定の割合で起こりうることを想定して頭数を設定していたが、現在実験を終えた7頭については幸いにも全頭実験無事に予定通りの日程で力学試験が行えた。そこで大動物を用いた過去の報告の結果から再検討を行い、補強糸使用群5頭、通常手術群5頭合計10頭の比較でも十分な成果が得られると考えた。現在両群合わせて7頭の力学試験が終了し、使用する総数10頭の計画で実験を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの3頭の豚の飼育、術後12週での安楽殺・力学試験・組織学的評価を行い、得られた結果について集計、考察する。論文として報告し、学会において発表する。
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Causes of Carryover |
令和3年度以降に予定していた家畜豚を使用した実験を令和2年度に前倒しして行うことで本研究をより進展させるために、令和3・4年度の交付予定額を前倒し請求した。前倒しした交付額のうち大部分は、前倒しした実験に必要な豚購入費・実験費・飼育費・組織学的評価や実験のための交通費等に用いたが、使用する豚の総数を減らしたこともあり、予定よりも安価に研究が進んだため次年度使用額が生じた。次年度使用額については令和3年度以降に行う実験費・飼育費および成果発表のための論文執筆・学会発表など必要経費として使用する計画である。
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