2021 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPRライブラリーを用いた変形性関節症の原因遺伝子の網羅的解析
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20K18002
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久永 哲 熊本大学, 病院, 特任助教 (30827308)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軟骨細胞 / 小胞体ストレス / 変形性膝関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工膝関節置換術を施行する内側型変形性膝関節症患者の内側および外側の骨軟骨組織を術中に採取し、RNA抽出した後にcDNAを作成した。その後RT-qPCRで解析を行い、特にGRP78, GRP94, CalreticulinやCalnexin等のタンパクのフォールディングに関わる分子シャペロン遺伝子の発現が上昇していることが確認された。 分子シャペロンの発現増加にもかかわらず軟骨細胞では基質タンパクの凝集が起こっていることより、分解酵素による基質の分解に対応するために軟骨細胞での分子シャペロンの需要が増大し、相対的に分子シャペロンが不足しており、変形性関節症の進行の際に適切に分子シャペロンの補充が行われると病態の進行が抑制される可能性が示唆された。 実際に変形性膝関節症患者より採取した軟骨細胞に分子シャペロンの代替となる化学的に合成されたシャペロン4-PBAを投与することで、培地中に分泌される主要な軟骨基質成分であるⅡ型コラーゲンが増加することが確認された。
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