2020 Fiscal Year Research-status Report
NGSと新規迅速PCRによる骨軟部組織感染症迅速診断法の研究
Project/Area Number |
20K18013
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
外山 雄康 関西医科大学, 医学部, 助教 (50829306)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 超音波処理法 / PCR / インプラント周囲感染・人工関節周囲感染 / 次世代シーケンサー / 骨軟部組織感染症診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に実施した研究の成果について1)内容 2)意義 3)重要性 1)内容: 超音波処理法後, DNA抽出し, 迅速 PCRおよび検体の冷凍保存および NGSを行った. 腱・滑膜・骨など従来法と超音波処理法で培養検査を行い, 臨床的有用性の検証を行った. 次に, 保存検体を PCRおよび NGSで検証し既存の検査方法および臨床経過から観察を行った. さらに検体 DNA抽出法の検討および 8F-338R primer (16S rRNA定量PCR, NGS)にて検証を行い, 超音波処理時間による影響や磁気ビーズ法 (MagLEAD12gc)による DNA抽出を行い, 既存の抽出手法との比較検討をおこなった. 2)意義: 骨・軟部組織バイオフィルム内細菌叢の解明, バイオフィルム感染症の遺伝子機器を用いた迅速検査手法・診断/治療プロトコールの構築を目的とし, 詳細なプロトコールと精度向上を目的として上記内容の研究を行った. 3)重要性: 遺伝子抽出の問題に関し, PCR時の DNA抽出には一般的な方法である QIAamp DNA mini kit (Qiagen)(QIAGEN法)を用いていたが手技は煩雑で, 時間を要し, 全自動機器magLEADを用いれば作業効率の改善、精度向上が可能となることが検証できた。また, 骨軟部組織感染症における超音波処理法の有用性をまとめた. そして, 培養検査をおこなった検体のサンプルの qPCRを行い, DNA保存を行い検証に至った. 検証結果より同一感染症例で検体間のばらつきを認め, 定量的評価の重要性を認識した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症による PCRとシーケンスのため, 総合医療センターにてコロナウイルス感染症の診断と検証を最優先におこなっている. そのため使用できる検査機器および場所, 人員的な問題を含み, 状況をみて研究をすすめている状況のため, 進展に遅れを生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症患者数, 検査数が減少に転じれば, 遺伝子抽出および遺伝子検査機器の使用および人員の確保が可能となる. 今後の推進方策に関し, 新型コロナ感染症の感染数が減少に転じる必要があるが, 研究遂行のため, 研究可能な休日・祝日の夜間などにも行うことを検討している.
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Causes of Carryover |
次年度使用分の残額が生じた理由は先に述べたコロナ感染症に伴う研究の遅れと, 消耗品が計画していたより使用した分が少なく, シーケンス試薬は使用期限があるので購入を見送ったことも影響する. 前倒し請求をおこなった分の残高を含め, 本年度研究経費より必要試薬を購入する.
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