2021 Fiscal Year Research-status Report
微量元素が関節リウマチ患者の単球・好中球の機能・活性と術後創部感染症に及ぼす影響
Project/Area Number |
20K18015
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
原口 明久 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 整形外科・リウマチ科 客員臨床研究員 (20857693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 亜鉛 / セレン / 創傷治癒遅延 |
Outline of Annual Research Achievements |
術前に血中亜鉛濃度を測定し、足部の整形外科手術を行った症例を42例収集し、そのデータを解析した。関節リウマチの症例とそれ以外の症例の術前血中亜鉛濃度は64±12μg/dL、65±12μg/dLで有意差は認めなかった(P=0.82)。一方、手術翌日の血中亜鉛濃度は関節リウマチ症例で51±10μg/dL、それ以外の症例では57±15μg/dLで関節リウマチ症例で低い傾向にあったが有意差は認めなかった(P=0.18)。 次に血清亜鉛濃度によって、60μg/dL未満を亜鉛欠乏症、60-80μg/dLを潜在性亜鉛欠乏と分類しSSIや創傷治癒遅延の発生頻度について検討した。さらに、術後1日目の亜鉛濃度を測定していた39 例について解析した。SSIは低亜鉛欠乏例で1例にみられるだけで亜鉛濃度との関連について統計学的な差は認めなかった(もっと大きなサンプルサイズが必要)。創傷治癒遅延については低亜鉛症例でのみ8例にみられ、亜鉛欠乏症例に創傷治癒遅延発生例が集中していた。合併症の発生数が少ないため、サンプラサイズを大きくする必要がある。引き続き症例の集積を続ける。 また、手術件数が多く、術後の合併症もより多く発生する整形外科疾患として大腿骨転子部・頚部骨折がある。現在、そちらについてもZnとSeのデータを集積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナで患者数が減少しているため、症例数の確保に苦労している。また、もともと症例数が少ない足の手術症例のみを対象にしていて、さらに合併症の発生頻度も低いため、思うように統計学的有意性を証明できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数足りないことと合併症の発生頻度が低いことが問題と考える。そのため、引き続き足部の手術症例を集めていく他に、症例数が多く、合併症の発生率もより高い大腿骨転子部・頚部骨折の手術症例についてもZnとSeのデータを集めて統計学的な検討が行えないか検討していく。
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Causes of Carryover |
対象とする症例数が十分出なかったため、検査費用の支出が当初の予定よりも少なかった。
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