2022 Fiscal Year Research-status Report
微量元素が関節リウマチ患者の単球・好中球の機能・活性と術後創部感染症に及ぼす影響
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20K18015
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
原口 明久 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 整形外科・リウマチ科 客員臨床研究員 (20857693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 亜鉛 / セレン |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症を含めた合併症が生じる頻度が高い、大腿骨近位部骨折症例について血中微量元素(亜鉛、セレン)の影響を検討した。 全てのデータを揃える事が出来た50例(52-102歳)を対象に解析を行った。最近1ヶ月の食事の摂取については88%がいつも通りと答えた。しかし、70%の症例が亜鉛欠乏症、28%が潜在性亜鉛欠乏症の状態であった。また、セレンについても56%が基準値以下であった。 合併症(各種感染症、創傷治癒遅延、DVTなど)の有無を説明変数、受傷時の年齢、性別、身長、体重、SMI、位相角、FAC、食事の摂取状況、認知症の有無、血清亜鉛濃度、血清セレン濃度、栄養状態(CONUT)を目的変数として単変量解析を行った。血清亜鉛濃度は合併症あり群で47.7±14.4、合併症なし群で57±12.1と合併症あり群で有意に低値だった(p<0.01)。p<0.2であった体重、認知症の有無、血中亜鉛濃度を変数として名義ロジスティック回帰分析を行ったところ血清亜鉛濃度の単位オッズ比は0.95(p<0.5)であった。体重と認知症の有無については有意ではなかった。 以上のことから血清亜鉛濃度低値は大腿骨近位部骨折術後の合併症の発生の予測因子であることが証明された。 セレンは単変量解析の時点で有意差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
もともと足部手術症例に対して研究を行う予定だったが、想定していたよりも症例がすくなくまだ解析が出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
足の手術症例については引き続き症例を増やしていく。 代わりに合併症などの頻度が高い、大腿骨近位部骨折症例や、骨粗鬆症症例などに対象を広げて研究を行う。
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Causes of Carryover |
研究が遅れいていて学会発表に行く機会が少なかった。 引き続き必要な研究に必要な検査費用と研究成果の論文化のために使用していく。
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