2022 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析による骨軟部肉腫のバイオマーカー探索
Project/Area Number |
20K18018
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 新一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (50866548)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨軟部肉腫 / メタボローム / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
骨軟部肉腫は骨や軟部組織に発生する非上皮性悪性腫瘍である。多くの組織型が存在するうえ、同一の組織型でも病勢や予後が異なるため、予後予測に有効なバイオマーカーがない。代謝産物はセントラルドグマの下流にあるため上流の遺伝子やタンパクよりも表現型に近く、バイオマーカーとして有用とされており、代謝経路・代謝産物を網羅的に解析するメタボロームを用いたバイオマーカー探索が有用である。しかし骨軟部肉腫については、患者サンプルでのメタボローム解析の報告はない。本研究では、メタボローム解析を用いて骨軟部肉腫のバイオマーカーの探索を行うことを目的としている。手術で摘出した骨軟部肉腫のサンプルをメタボローム解析することでその代謝経路の変化を確認し、患者情報や術後経過との関連を評価することで、予後予測マーカーを明らかにする。 研究開始時期から継続的に、骨軟部肉腫の手術を月に2-4件のペースで行い患者情報や患者サンプルの採取・集積を行っている。骨軟部肉腫は稀少疾患のため、同一の組織型のサンプルが複数集まるのには時間を要するため、集積を続けている。また、集積サンプルの臨床データのデータベースの登録・作成も並行して行っており、基礎データと臨床データの関連評価のベースを構築している。また、臨床データを用いた研究も並行して行っている。予後に関連する放射線の感受性について、切除マージンが十分確保できなかった症例に対すして放射線照射を追加した場合の治療成績を評価し、十分な切除マージンを確保できた場合と同等の制御率であったことを確認している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
骨軟部肉腫患者から摘出したサンプルを用いて研究を行うが、稀少疾患のためにサンプルが複数集まるのには時間を要する。特に同一組織型を複数集積するために遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
骨軟部肉腫の手術は月に2-4件のペースで継続的に行っており、患者情報や患者サンプルの採取・症例の集積を引き続き行い、統計処理可能な症例数のサンプルをそろえてメタボローム解析を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度の支出は、症例データベース構築に要するものであったが、次年度はメタボローム解析に要する試薬等を試用する必要があるため、次年度使用額が生じた。十分な症例集積が得られ次第、試薬など調達に使用する予定である。
|