2020 Fiscal Year Research-status Report
Myostatinによる未分化間葉系細胞の腱細胞への分化誘導メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K18028
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北村 陽 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (00836033)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腱細胞 / 未分化間葉系細胞 / 分化誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでにMyostatinの刺激により、マウス筋芽細胞株C2C12を腱組織の恒常性維持や損傷後の修復において重要な役割をなす腱細胞へ効率的に分化させる培養系を確立し、そのシグナル伝達経路を明らかにした。本研究ではより未分化な間葉系細胞株C3H10T1/2から腱細胞への分 化を誘導する新たな培養系を用い、1)Myostatinによる未分化間葉系細胞の腱細胞への分化誘導時に活性化されるシグナル伝達経路、2)Myostatinの拮抗蛋白であるFollistainの腱細胞分化における機能、3)Myostatinの生体内に存在する腱幹/前駆細胞から腱細胞への分化に与える影響、の3点を解明する。 当該年度では、各腱細胞マーカー についてリアルタイムPCRによる定量を行い、腱細胞分化が最も抑制されるシグナル伝達経路を同定を行った。その後同様の培養系を用いて、同定されたシグナル伝達経路において機能する分子をsiRNAによりノックダウンし、腱細胞マーカーについて上記と同様に定量を行い、腱細胞への分化への影響を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度において、まずC3H10T1/2を低血清(2%FBS)で12時間培養した後にMyostatinと各シグナル伝達経路の選択的阻害剤を添加する。培養3日目にRNAの抽出を行い、各腱細胞マーカー についてリアルタイムPCRによる定量を行い、腱細胞分化が最も抑制されるシグナル伝達経路を同定を行った。その後同様の培養系を用いて、同定されたシグナル伝達経路において機能する分子をsiRNAによりノックダウンし、腱細胞マーカーについて上記と同様に定量を行い、腱細胞への分化への影響を解析した。 実験の至適条件の検討に時間を要したため、本研究に予定より時間を要してしまったため実験の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Follistainの腱細胞分化における機能解析:MyostatinとそのアンタゴニストであるFollistatinは筋細胞の分化を制御するタンパクとして知られ、FollistatinはC3H10T1/2において高発現し腱においてもその発現が確認され、Myostatinノックアウトマウスでは筋組織が著しく発達 する一方で腱が低形成となることが報告されている。上記の培養系において、Myostatinと共にFollistatinを添加し、リアルタイムPCR、ウェスタンブロットを行い、Follistatinが腱細胞分化の抑制するのか確認する。またFollistatinに対するsiRNAを細胞に導入し、Follistainノックダウンによる腱細胞分化への影響を確認する。 Myostatinの腱幹/前駆細胞から腱細胞への分化に与える影響:腱幹/前駆細胞のマウスからの採取および培養についてはBiらの方法(Bi et al . Nat Med.2007)に準じて行い、リアルタイム PCR、ウェスタンブロットによる腱細胞マーカーの定量および免疫染色により腱細胞への分化を確認する。Myostatinの濃度や培養期間についての至適条件の検討も行う。
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Causes of Carryover |
今年度の研究の進行がやや遅れて、予定していた実験が部分的に行えなかったため、必要物品の支出が少なくなった。 次年度使用額は令和3年度請求額と合わせ、今年度に予定していたが行えなかった実験の必要物品の購入に使用する。
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