2020 Fiscal Year Research-status Report
Thr effects of platelet-rich fibrin on Achilles tendon injury and tenocytes
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20K18029
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
千賀 佳幸 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (70828368)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多血小板フィブリン / PRF / アキレス腱 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
多血小板フィブリン(Platelet Rich Fibrin: PRF)は様々な成長因子やサイトカインを含んだ高濃度の血小板を含有するフィブリン塊で、徐放性に優れるため様々な病態への治癒促進することが期待されている。我々はPRFのアキレス腱欠損に対する直接的な評価を動物モデルで行い、さらに腱修復に重要な役割を担うtenocyteに対する影響およびシグナル経路を特定することを目的に研究を行なっている。 これまでのIn vivoの検討で、PRF投与群ではcontrol群と比較し、組織学所見・運動能・力学的特性が有意に改善した。また、組織中のtenocyteの細胞数/増殖能(Ki-67陽性細胞数)はPRF群で有意に増加した。これらの結果からPRFがアキレス腱欠損の治癒を促進することを明らかにした。 In vitroの検討では、PRFはtenocyteの細胞数(MTS assay)、増殖能(Ki-67染色)、遊走能(wound closure)を有意に増加させ、α-SMA、Tenascin-C、Collagen I /III発現も有意に増加させた。また、PRF投与によりFGF受容体及びAktのリン酸化レベルが有意に増加し、FGF受容体阻害剤及びAkt阻害剤がPRFの増殖効果を抑制したことから、FGF受容体/Aktシグナルがtenocyte増殖に重要であることを明らかにした。さらに、PRF投与によりSmad3リン酸化が誘導され、TGF-β受容体阻害剤及びSmad3阻害剤はPRFで細胞外マトリクス発現を抑制したことから、TGF-β受容体/ Smad3シグナルがtenocyteの活性化に関わることを明らかにした。 上記の内容をOrthopedic Research Society(ORS)2021で発表し、New Investigator Recognition Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでは、ELISA法でPRFに含まれるFGF/TGF-β等の成長因子の徐放性を評価し、コラーゲン収縮assayでPRFの細胞収縮活性も評価する予定である。in vivoでは、Bonar score(細胞数/血管密度/コラーゲン/ムチン)に加え、血管、リンパ管、炎症性細胞についても検討し、腱修復の程度を病理学的に詳細に評価する。また、コラーゲンの評価を行うため、Sirius red染色・免疫染色を行い、Col 1/Col 3の経時的な局在・割合比を評価する予定である。 上記が完了次第、論文投稿を進める予定である。
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Research Products
(7 results)