2021 Fiscal Year Research-status Report
骨軟部腫瘍に対するWntシグナルを標的とした治療法の探索
Project/Area Number |
20K18040
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
弘實 透 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70594539)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / Wntシグナル / 組織マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はWntシグナルに焦点を当て,骨軟部腫瘍における新たな治療法とWntシグナルが有効な治療標的となる骨軟部腫瘍およびコンパニオン診断に繋がるバイオマーカーの探索を行い,臨床現場における個別化医療の実現へ近づく事である.2年目となる本年度はWntシグナルが治療標的となりうる骨軟部腫瘍の探索およびWntシグナルを標的とした治療法の臨床応用に向けた研究を進めた.臨床応用を見据えて,骨軟部腫瘍組織のβカテニンの核の染色性に着目し,研究を進める事とした.(WntシグナルがOnであればβカテニンの核染色性は陽性となる.) 骨軟部腫瘍の一つである,デスモイドの診断にβカテニンの核陽性が有用である事が分かっており診断にも用いられているが,それ以外の骨軟部腫瘍におけるβカテニンの染色性についての報告はあまりない.そこでデスモイドを除いた,骨軟部腫瘍と腫瘍近傍の正常組織を含むの組織マイクロアレイを購入し,網羅的にβカテニンの核の染色性を検討した.全部で約400検体の組織検体のβカテニンの核染色性を検討した.良性の骨軟部腫瘍ではβカテニンの核染色陽性となる腫瘍は認めなかった.一方で,中間悪性以上の骨軟部腫瘍の内,約10%程度にβカテニンが核陽性となる腫瘍を認めた.またコントロールとして検討した腫瘍近傍の正常骨組織に30%程度βカテニンが核陽性となる症例があった. 以上の結果をまとめて,臨床病理学関係の雑誌に投稿予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19に伴う研究遂行の遅延,申請者の施設異動に伴う研究環境変更の為,当初予定していた計画よりやや遅れている. 引き続き2022年度はこれまでに得られた組織型を標的とし治療についての実験を行う事が出来ればと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
組織マイクロアレイで得られた結果を基に,Wntシグナルが標的となりうる一部の中間悪性以上の骨軟部腫瘍に対する実験を検討する.
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Causes of Carryover |
COVID-19による研究業務遂行の遅延ならびに申請者の所属組織異動により,当初予定していた研究計画が年度内に完了する事が出来なくなった為,2022年度で引き続き実験を継続する必要が生じた.2022年度は,追加実験とこれまでの実験結果の学会・論文報告での使用を予定しております.
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Recurrent malignant peripheral nerve sheath tumor presenting as an asymptomatic intravenous thrombus extending to the heart: a case report2022
Author(s)
Toru Hirozane, Robert Nakayama, Sayaka Yamaguchi, Tomoaki Mori, Naofumi Asano, Keisuke Asakura, Kazutaka Kikuta, Miho Kawaida, Aya Sasaki, Hajime Okita, Seishi Nakatsuka, Tsutomu Ito
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Journal Title
World J Surg Oncol
Volume: 20
Pages: 8
DOI
Peer Reviewed / Open Access