2022 Fiscal Year Research-status Report
骨軟部腫瘍に対するWntシグナルを標的とした治療法の探索
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20K18040
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Research Institution | Tochigi Cancer Center (institute) |
Principal Investigator |
弘實 透 地方独立行政法人栃木県立がんセンター(研究所), 研究所-がん医療研究G-肝胆膵悪性腫瘍研究分野, 研究医師 (70594539)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨軟部腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,引き続き骨軟部腫瘍に対するWntシグナルを標的とした治療法の探索を行った.前年度までに得られた組織マイクロアレイを用いた,骨軟部腫瘍におけるWntシグナル活性の網羅的評価の結果をまとめ,論文を作成中である.また栃木県立がんセンターにおいて,骨軟部腫瘍手術検体を用いた,細胞株やマウスモデルの樹立に寄与した.過去の報告では,高悪性度肉腫では,Wntシグナル活性が高いとする報告がいくつか見られるが,今回の我々の検討でも同様の結果が得られている.また興味深い事に,Wntシグナル活性は骨軟部腫瘍の中でも,ある程度の組織志向性(ある特定の組織型に特異的に活性度が高い傾向)が見られる事が暫定の結果ではあるが,明らかとなってきた.すなわち様々な組織型の高悪性度肉腫の集団においても,組織型によってWntシグナルOnである幾つかの腫瘍と,WntシグナルOffである腫瘍の集団が存在するものと考えている.なぜこの様な志向性が存在するのかは未だ明らかではないが,それを解明する事で腫瘍発生・分化の起源に迫る事が出来るのではないかと推察し,次年度以降の研究計画を検討中である.近年のゲノム医療の進歩により,骨軟部腫瘍においても幾つかの分子標的が明らかとなってきているが,その恩恵にあずかる事が出来る症例はごくわずかである.本研究により,新たな診断,治療に結び付き臨床に成果を還元できる結果が得られたら,と考えている.Wntシグナル活性が骨軟部腫瘍の発生,起源に何らかの作用,メカニズムを有しているものと考えており,引き続き解析を行っていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の施設異動のため,やや遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
まずはこれまでの研究結果を,論文作成し発表する予定である.
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Causes of Carryover |
申請者の施設異動,コロナウイルス対応の関係で研究が滞っているため
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Intramedullary osteoid osteoma in the humerus of a toddler-A case report and review of the literature.2022
Author(s)
Hiramatsu M, Nakayama R, Kasahara T, Nakagawa R, Hirozane T, Yamaguchi S, Mori T, Asano N, Okita H, Nakamura M, Matsumoto M.
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Journal Title
Radiol Case Rep
Volume: 17
Pages: 3748-3753
DOI
Peer Reviewed