2020 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of tissue fibrosis mechanism associated with type 2 diabetes mouse focusing on insulin receptor substrate
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20K18047
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山中 芳亮 産業医科大学, 医学部, 学内講師 (60644862)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 線維化 / インスリン受容体基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織の線維化は臓器不全に共通の病態である。特に2型糖尿病患者では心臓、肝臓、腎臓など重要臓器の線維化が促進されることが知られており重篤な症状を呈する。従って、2型糖尿病患者の線維化の機序を解明することは、臓器不全の進展予防や治療法の開発に繋がる。近年、線維化とインスリン受容体基質 (IRS)の関連が肺線維症や腎線維症など線維化が病態の主因である疾患において指摘されている。本研究では、2型糖尿病モデルマウスを用いた膝関節拘縮モデルにおける膝関節包の線維化の機序をIRSに着目して明らかにすることで、線維化予防の有効な治療法開発の糸口となる基盤的知見の確立を目指している。 2020年度は、正常マウスの膝関節拘縮モデルの確立およびビグアナイド系糖尿病治療薬であるメトホルミンが正常マウスの膝関節拘縮に与える影響について明らかにした。C57BL/6マウスを用いて、膝関節を我々が考案した固定方法により屈曲位で固定することで、関節包の線維化関連遺伝子、IRS1および線維化関連タンパクの発現が亢進することを確認した。また、本拘縮モデルマウスを用いて、メトホルミン投与により関節包の線維化関連遺伝子、IRS1および線維化関連タンパクの発現が低下することを明らかにした。また、組織より抽出した線維芽細胞において、IRS1およびIRS2のknockdownがTGF-βを含めた線維化関連遺伝子発現に与える影響についてsiRNAを用いて検討を行ったが、線維化関連遺伝子の有意な変化は認められなかった(n=3)。今後、検体数を増やして再度検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度においては、正常マウスの膝関節拘縮モデルにおける線維化の機序とIRSおよびTGF-βの関連の解明をin vivo、in vitro双方の観点から検討する計画であったが、予定通りに実験が行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の実験結果から、正常マウスの膝関節拘縮モデルにおける線維化の機序とIRSおよびTGF-βの関連は明らかにすることができた。2021年度は、2型糖尿病モデルマウス(dbマウス(C57BLKS/J Iar -+Leprdb/+Leprdb))を用いて、膝関節拘縮モデルにおける線維化の機序とIRSおよびTGF-βの関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響による、学会のオンライン化により旅費が不要となったため。 使用計画は、次年度学会の旅費またはマウス購入費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] マウス膝関節拘縮モデルにおいてメトホルミンは関節拘縮を抑制する2020
Author(s)
徳田 昂太郎, 山中 芳亮, 小杉 健二, 西村 春来, 塚本 学, 田島 貴文, 鈴木 仁士, 川崎 展, 内田 宗志, 中村 英一郎, 酒井 昭典
Organizer
第35日本整形外科学会基礎学術集会